備忘録

ー 経済概観、読書記録等 ー

雑感

由良君美『椿説泰西浪曼派文学談義』ほか

椿説泰西浪曼派文学談義 (平凡社ライブラリー)作者: 由良君美出版社/メーカー: 平凡社発売日: 2012/07/12メディア: 単行本(ソフトカバー)購入: 4人 クリック: 48回この商品を含むブログ (17件) を見る 最近の読書は、以前よりも経済書が少なくなり、それ他…

今年の経済に対する期待

※追記を追加しました。(01/14/12) これはヨーロッパのある都市でも同じように感じたことだが、日本の地方都市は、サービスが悪いと感じることがある(特に、地方の公共交通機関など)。ちょっとした動作を一つとっても、「遅い」と感じることがあり、逆に…

文筆家の「嘘」を見極めるためのいくつかのポイント

以下、自戒も込めて。 1.「○○というのは、△△では当たり前」、「●●は、▲▲によってそのほとんどが説明できる」といった議論は、その前提や文脈をよく見極める必要がある。前提が違う場合にはまったくあてはまらなかったり、ほんらい用いるべきでない文脈に使…

出版不況にかかわるミクロ的視点とマクロ的視点

(まずは、ミクロ的視点から) 自己利益を最適化するという意味で合理的な視点に立つのであれば、ブックオフやアマゾン・マーケットプレイスは最大限利用すべきである。特に後者は、追加的なコストがほとんど発生しない。これらを利用することで得られる剰余…

mixi, etc.

mixiは退会しました。今後、自宅で過ごす時間を少しでも勉強にあてられるようにしたいので、ネットとのつきあい方を少しずつ整理したいと思います。なお、このブログとScribdは、自分にとって唯一の「実績」(?)なので、仮に辞めることがあっても削除はい…

Antinomy

次のような二律背反的な主張を考えてみた。 (A)フィリップス・カーブに含意されるように、インフレ率と完全失業率にはトレード・オフの関係があり、財政・金融政策によって需要が増加すれば、完全失業率は、完全雇用水準に対応する自然失業率の水準にまで…

ソーシャル・ブックマークによって破壊されるブロゴスフィア

はてなブックマークに代表されるソーシャル・ブックマーク・サービスは、個人がお気に入りのウェブ・サイトをブックマークするというその本来の機能を超えて、多様な機能を持つようになっている。そうした機能として代表的なのは次の二つだろう。 第一に、ブ…

ブログ更新の一時休止について

昨年の後半からブログをやることの意味が乏しく感じられるようになり、いいかげんやめようかなぁと思いつつ既に半年以上が経ちました。ここまで続けてきた主な理由には、昨年末から訪問者が急に増え、ブックマーク数の多いエントリーも目立つようになってき…

これまでの経験則

とうとう、こういう時代が再びやってくることになりました。そういえば、春闘の山場も近づいてきましたね。http://www.nikkei.co.jp/news/keizai/20090106AT1C0600K06012009.html 経済団体のいう「ワーク・シェアリング」=正社員の賃下げ 賃下げの時代、ふ…

ネットの将来

ブログなどのネット・コミュニケーションの世界は、今後は「レモン市場」化するのではなかろうか、という懸念を感じることがあります。よくいわれることですが、ネットの情報は「スクリーニング」されておらず、人物に対するクレジットもありません。そこに…

経済的なものを期待するのが間違いなのは、ネットだけに限らない

先日のエントリーでは、比較的多くのコメント・ブックマークをいただき、ありがとうございました。その際、心に残っていたのは、同様の話はネットを経由した情報の提供だけに限らないだろう、ということです。このことは、誰かが触れてくれるのではないかと…

ネットに経済的なものを期待するのは間違いである

「山形市の街並み」撮影履歴 それを運営している八向さんという方が↓のようなコメントを行っていました。 「智慧求む! 絶滅危惧サイト「山形市の街並み」に光を!スポンサーを!」(山形市の街並み) むろん、私にはサイト維持のための知恵も経済的余裕もあ…

郵政選挙から参議院選挙までの政治過程を考える

小泉政権下で行われた2005年9月の郵政選挙の自民党の大勝から、2007年7月の参院選での大敗までの2年間、どのような変化があったのだろうか。これをB・フライのいう政治経済学的な含意から、うまく説明することができるだろうか。 マクロ経済的には、この…

「マクロ的に考える」ということ

04/30/08付けエントリーの続き。http://d.hatena.ne.jp/HALTAN/20080503/p1 面白いですね。(3)の論点(ボランティア・チャリティは、福祉社会の自己否定につながる)などはもっと考えてみたい気もする。それ以上に、こうしたエントリーに対する周囲の反応…

2008年3月データによる更新&本論より長くなった追記

完全失業率は若干改善したが、先行き悪化の懸念が残る中で物価は上昇している。今月は、食料(酒類を除く)及びエネルギーを除く総合でもプラス(0.1%の上昇)。このところ、賃金が物価と連動するように上昇しているが、これら相互のメカニズムについて要検…

「医師不足」と「理系離れ」の間に感じる違和感

昨今、目につく報道に「医師不足」の問題があり、医師の勤務環境の過酷さ、特に、産婦人科、小児科での医師の不足、病院における患者の受入れ拒否等さまざまなかたちで取り上げられている。その原因としていわれているのが、大学医局の求心力の低下、新人医…

組織力

組織をより効率的に機能させることができる者は、人事・処遇を動かす力を持つ者である、というのは、一般的にみられる事実。 仕事に対する知恵が豊富であったとしても、トップダウン的な組織の動員は、少なくとも、その知恵の範囲を超える力を持つものではな…

小田嶋隆「大日本観察」(週刊ビジスタニュース)より

警察庁のまとめによれば、高齢者の刑法犯検挙人員が昨年までの10年間で3.6倍に急増している――のだそうだ。 http://www.nikkei.co.jp/news/shakai/20071214AT1G1304Y13122007.html おお、やはりそうだったか。膝を打ちましたよ。あまりにも個人的な印象と一致…

高校の社会科教育について

自分の高校時代は、1年目に現代社会、2年目以降は、世界史、日本史、地理の中から1科目という時代でした。現代社会は受験に関係しないため、実質的には、世界史、日本史、地理の1〜2科目のみ勉強するという感じだったでしょうか。 今になって不思議に思…

計画主義者化されるケインズ――誤った読解によるその「可能性の中心」(未定稿)

※大幅に修正を加えました。また、中谷巌「マクロ経済学入門」(第1版)の内容を若干記述しました(03/28/09、03/31/09)。計画主義的なケインズ読解 ハイエクを読みつつ、自分はHayekianであると強く認識するこの頃であるが、ルールを重視し恣意性を持つ計…

ウケル人々−その性向から観察される特徴についての11の原則

mixiでの検討がそろそろまとまってきたところなので、こちらに移植します。なお、エセ科学とか2ちゃんねる界隈で勘違いしてコピペしまくっている馬鹿が居ますので、ご注意ください。・・・・・・・・・・1.表向きはマルクスとかケインズとか標榜している…

近況など

「人間の理性は万能ではない。計画によって経済運営は出来ない。物の正しい価値を『計算』によって算出することは出来ず、市場の末端の経済単位にある者こそ最も正しく判断することが出来る」というは自然な見方だと思っているのだが、そのような見方に対抗…

近況など

1.港区某所で講演会。マイナーながら活字になる予定。 2.嘗ての大物カウンターパート(業界人)が、何故か「同僚」にw 世の中の変化は激しい...

読書の前提としての備忘録−「ある種の人達」に関連して

08/16付けエントリーに関連して。ところで、社会システムについて、①契約と市場の下における個人の主体性を尊重すべきなのか、②国家や企業などのある種の中間的な組織体の中での安定を重視すべきなのか、という問題は、引き続き、オープン・クエスチョンとし…

ある種の人達

「ある種の人達」が求めている社会システムは、欧州型の資本主義のモデルとか、「定常型社会」とか言った半端なものではなく、社会主義そのものだ、ということがだんだんわかってきた。(だから「法規制、法規制」ということをしきりに叫ぶわけだ。)でもそ…

身近なところでの「経済学」批判

私事だが、自分の周囲にはかなり似通った形で「経済学」批判を試みる徒が多く、その手の批判は、きまって「経済学者は、理論と現実が異なる場合に、現実をおかしいというが、それは間違っている。」(意訳)といった形をとることが多い。そういう類には、微…

「揺り戻し」としての備忘録

以下は、完全に自分向けの備忘録。 ある知り合いの働き方は、ほとんど寝ていないのではないかという位の「異常さ」(私からみれば)で、それでも休日も出払っていたりする。こうした働き方は、ワーク・ライフ・バランス的な見方からは、一律に壮年期の働き過…

「もじれの日々」コメント欄における議論

コメント 備忘録的にチェック。*1①職務が通常の労働者と同じであり、人材活用の仕組みや運用等も通常の労働者と実質的に異ならないパートタイム労働者については、同一の処遇決定方式等により均衡の確保を図り、②職務は通常の労働者と同じであるが、人材活用…

「インタラクティヴ読書ノート別館の別館」11/11付けエントリーのコメント欄における議論

日本の状況も、既存労働者の権利を守れと旗をふり、パートやフリーターを蔑視する左翼的なスタンス(中略)は、たぶん若年労働の就職難を後押ししてるんじゃないかと思えます。 左翼がフリーターを組織化したら、かれらの労働力としての存在意義がなくなって…

ふるまいよしこ「見知らぬ隣人」(JMM 04/14/05発行)

新しい時代の波の中で生まれてきた、現代の新たなエリート層といえる大学生やヤンエグのために常に中国政府は新しい社会体制開拓をしてきているものの、いかんせん、まだまだ旧態依然とした体制が残っているために、膨張を続けるヤンエグたちはまだ窮屈さを…