ラスカルの備忘録

ー 経済概観、読書記録等 ー

日本銀行「西村審議委員就任記者会見要旨 」

記者 不動産価格に対する量的緩和の影響について、専門の立場からは影響があるとお考えか。不動産価格については、REITを中心に多少なりとも上昇がみられており、都市部はご覧の通りの状況になっているのだが、委員の見解を伺いたい。
委員 不動産価格と量的緩和もしくは金融政策の関係は、歴史的にみても非常に曖昧模糊としたものである。従って、例えば量的緩和と不動産価格が正の相関があるからと言って、片方が片方を引き起こしているということは必ずしも言えない。ただし、非常に注意しなければならない一つの動きではある。将来的にはこうした動きが一般物価水準に何らかの影響を及ぼしていくということは十分考えられるので、当然注意して対処しなければならない問題だと考えている。
記者 インフレ・ターゲッティングないし物価目標の導入については現時点ではどのようなスタンスなのか。
委員 何度も申し上げている通り一般論で申し上げると、インフレ・ターゲットというのは、いわゆる根拠に基づく政策(evidence based policy)ということから考えて、金融政策の説明責任を明確にして金融政策の信用を高めるという点で非常に重要な政策手段の一つであると考えている。特に、インフレが進行している場合にその効果は非常に大きなものがあると考えている。ただし、日本の現状に当てはめた時に、その効果の得失をやはり考えなければならない。ゼロ金利政策量的緩和政策の経験から見て、金融政策に十分な対応余地があるのかということを考えなければならない。特に、その目的が政策の信用を高めるということであるから、この点に関してはかなり慎重な対応が必要であると考えている。先程申し上げた、発展途上である統計との関係の問題も考えなければならない。