ラスカルの備忘録

ー 経済概観、読書記録等 ー

中山貴司・河合祐子「クレジット市場の発展に関する一考察〜クレジット・デリバティブ市場を中心に〜」(日銀レビュー)

  • CDS市場には、リスク・ヘッジ(プロテクション買)や投資(プロテクション売)といった実需取引に加え、価格変動による収益を狙ったトレーディング取引が存在するが、実需取引があってはじめて持続的な市場が成立。英国銀行協会の調査では、銀行がプロテクションの売買共にトップの市場シェア。
  • 市場の発展と共に価格情報が増え、それによりきめ細かなリスク管理(VaR、ストレス・テスト等による信用リスクの計量化)が可能。リスク計測結果を利用した経営判断により、機動的なリスクの取得・削減が行われ、銀行の実需取引をベースにさらに市場の厚みが増す。
  • このように、市場・リスク計測・経営の三者は、相互に影響を与えながら循環的に発展していく関係にある。米国では、90年代初頭に主要商業銀行の格下げが相次ぎ、資金調達コストの上昇が資産規模圧縮に繋がったことを契機に、このような循環メカニズムが効果的に働いたという解釈が可能。