ラスカルの備忘録

ー 経済概観、読書記録等 ー

猪瀬直樹「どうなる日本の民営化」(MM日本国の研究 04/28/05発行)

(中略)これからの日本は、人口が減っても、全体のGDPが増えなくても、一人あたりのGDPを増やし利益率を向上させていけばいいのです。そのためには行政改革を断行して効率化を追求し、ムダをなくすことが先決です。
たとえば、建設業の優秀な人材や技術を農業に投入すると言った試みを進めながら、日本人が本来もっている世界一の緻密なモノづくり能力を生かしていけば、まだ十分にやっていけると言うことです。

コメント 引用文中前段は、新自由主義的な民営化・市場化論であるが、何故それが一人あたり利益率を増やすのか。総需要が低下する中で、労働生産性を高めれば、遊休人材を増やすことにならないか。加えて後段であるが、社会における農業人口が高まれば、労働生産性は低下する。これが経済合理性に矛盾せず起こりうることは、03/19付けエントリーでの金井伸郎氏の指摘が参考になる。なお、終戦後、日本的「全部雇用」の維持にあたって農業が果たした役割については、「雇用不安」で野村正實氏が指摘しており、その意味で、農業振興策に価値無しとはしない。