備忘録

ー 経済概観、読書記録等 ー

「シニョリッジ」をめぐる議論のさらなる展開に関連して、裏鹿氏によるコメント

金融緩和が消費を通じて実体経済に与える影響を記述する手法であるショッピングタイム・モデル(及び政府の予算制約式)*1を取り上げ、ここから以下の見地を導く。

簡単なマネタリーモデルでは、政府の予算制約からも消費者の最大化問題からも明らかなように、オペでもヘリコプターマネーでも、均衡は何も変わらない。ヘリコプターマネーとは、政府からのトランスファー*2のパスを変化させることだが、たとえトランスファーのパスが一時的に変わっても、最終的には、初期時点での政府の実質負債残高に一致するように調整される。そもそもトランスファー自体の変化が、消費者の行動に変化を与えるということもない。
オペでもヘリコプターマネーでも関係ないというこの性質は、マネタリー版のリカーディアン・イクイバレンスと呼ばれている。

*1:数式の理解はpending。

*2:引用者注:正味の租税額