ラスカルの備忘録

ー 経済概観、読書記録等 ー

高村正樹「消費性向上昇の原因を探る−強まるラチェット効果の影響−」(JCER REVIEW)

  • 近年の消費性向の上昇は、高齢者ウェイト上昇よりもむしろ、高齢者層自体の消費性向の上昇。これは、堅調な消費というよりも、所得の減少程には消費を減らせないため。消費動向調査の結果をみると、これは所得の減少が一時的と考えるため(恒常所得仮説)というよりも、ラチェット効果によるもの。
  • ラチェット効果の推計式:C=a1+a2・Y+a3・U+D×a4・Y U:失業率(消費者マインドの代理変数) D:Y>0のとき0、Y<0のとき1をとるダミー変数。a2:限界消費性向。a4は<0かつ有意で、ラチェット効果が確認された。なお、現実の消費は、これらの要因以外に資産効果の影響等を受ける。
  • ラチェット効果は、消費支出に占める基礎的支出の割合の高まりに応じて、大きくなっている。