2005-07-02 永井均「私・今・そして神」(その2) 哲学・文学 私・今・そして神 開闢の哲学 (講談社現代新書)作者: 永井均出版社/メーカー: 講談社発売日: 2004/10/19メディア: 新書購入: 4人 クリック: 30回この商品を含むブログ (102件) を見る(追記)問題の類似性を考えて、柄谷行人「探究Ⅰ」*1第1章「他者とは何か」を読み返してみた。こちらでは、ウィトゲンシュタインの独我論をめぐり、「教える−学ぶ」という行為を軸とする語り口で、「デカルト的な懐疑」を救い出し、またカント、フッサール、さらにはハイデガーまでもばっさりと切り捨てる(その間、約10頁)。この射程から、独我論とは「私に言えることは万人に言えると考えるような考え方」ということになる。同書の解説において、野家啓一氏は「おそらく今後のウィトゲンシュタインをめぐる議論は、柄谷の問題提起を避けて通ることはできないはず」と述べている。 他方、永井均氏の本書では、むしろ物理的な次元から、しかも比喩的と言うよりは真に受ける形で捉えようとする語り口。何が起ころうと、それが起こるのは「私」であり「今」であるという考え方。 *1:探究(1) (講談社学術文庫)作者: 柄谷行人出版社/メーカー: 講談社発売日: 1992/03/05メディア: 文庫購入: 2人 クリック: 61回この商品を含むブログ (66件) を見る