備忘録

ー 経済概観、読書記録等 ー

"RISK & CAPITAL versus RETURN: Finding the Balance"(Guy Carpenter)

今日、保険会社は、引受リスクを支える資本の維持と資本効率の向上という二つの命題の狭間で、難しい舵取りを迫られています。保険監督当局や格付機関は、資本の充足率に関わるより厳格な基準を定め、保険会社が保有するリスクを支えるに十分な資本を維持するよう求めています。一方、保険会社の株主は、その投下資本に対する適正なリターンを求め、”過剰資本”の状況を歓迎するものではありません。
この二つの命題は、相容れないものでしょうか?
法の定める要件、財務の安定性、投資に対するリターンのそれぞれのバランスをとり、企業価値の極大化を可能にする最適資本構成を実現する方策はあるのでしょうか?

ガイ・カーペンターによるセミナー(in 品川)。
ハーバード・ビジネス・スクールのケネス・フルート博士の講演は、擬似留学体験。*1

*1:まず株主の立場で考えるという問題設定に面食らい、その勢いに圧倒される。「資本の持ち合いはトップラインの安定に寄与」とかいっても、資本の持ち合いに伴うリスク量と、それに伴うトップラインの安定がどれだけの利益に結びつくのか詰められることになるか。これに耐えうる言葉を作りうるのかは、正直自信がない。