ラスカルの備忘録

ー 経済概観、読書記録等 ー

量的緩和政策の解除

本日の政策委員会・金融政策決定会合において決定。

「物価の安定」についての明確化
 日本銀行としての物価の安定についての基本的な考え方を整理するとともに、金融政策運営に当たり、現時点において、政策委員が中長期的にみて物価が安定していると理解する物価上昇率(「中長期的な物価安定の理解」)を示す。こうした考え方や理解を念頭に置いた上で、金融政策運営を行う。
2つの「柱」に基づく経済・物価情勢の点検
 金融政策の運営方針を決定するに際し、次の2つの「柱」により経済・物価情勢を点検する。
 第1の柱では、先行き1年から2年の経済・物価情勢について、最も蓋然性が高いと判断される見通し*1が、物価安定のもとでの持続的な成長の経路をたどっているかという観点から点検する。
 第2の柱では、より長期的な視点を踏まえつつ、物価安定のもとでの持続的な経済成長を実現するとの観点から、金融政策運営に当たって重視すべき様々なリスクを点検する。具体的には、例えば、発生の確率は必ずしも大きくないものの、発生した場合には経済・物価に大きな影響を与える可能性があるリスク要因についての点検が考えられる。

新たなターゲットを物価水準とし、「中長期的な物価の安定」が実現されているかを「点検」する。この枠組みが、将来的な金融政策のルールを縛る「コミットメント」となり得るかどうかが問題となる。

 物価情勢を点検していく際、物価指数としては、国民の実感に即した、家計が消費する財・サービスを対象とした指標が基本となる。中でも、統計の速報性の点などからみて、消費者物価指数が重要である。
 「物価の安定」とは、概念的には、計測誤差(バイアス)のない物価指数でみて変化率がゼロ%の状態である。現状、わが国の消費者物価指数のバイアスは大きくないとみられる。物価下落と景気悪化の悪循環の可能性がある場合には、それを考慮する程度に応じて、若干の物価上昇を許容したとしても、金融政策運営において「物価の安定」と理解する範囲内にあると考えられる。

日本銀行の考える目標インフレ率(長期的に自然失業率が成立する水準でのインフレ率)は、消費者物価指数の変化率がゼロ%の状態であると宣言している(たぶん)。ついては、日本銀行が考える日本の自然失業率の水準はどの程度か、という点も聞いてみたいところ(4〜4.5%位?)。「平成17年版労働経済白書」の均衡失業率の推計結果は4%程度とされているが、この推計には履歴効果が加味されていない。

*1:消費者物価指数の前年比で表現すると、0〜2%程度であれば、各委員の「中長期的な物価安定の理解」の範囲と大きくは異ならないとの見方で一致。