備忘録

ー 経済概観、読書記録等 ー

柘植久慶「あの頃日本は強かった−日露戦争100年」

コメント 日露戦争について、国力の劣る日本がロシアに勝利した要因を、両軍の司令官の資質の違い、下士官以下クラスの教育水準の違い、諜報活動や、戦争後をも見通した大局観を持ちつつ日本に対する同情を効果的に利用した外交活動を行ったこと等に求めている。一方で、第三軍を率いて旅順を攻撃した乃木希典については、司令官としての資質の低さから多くの犠牲招いたとするなど非常に手厳しい。大局的な戦略を持つことは重要であるにしても、個人の資質や、そこから来る戦術の出来不出来、個々の戦闘の結果というものが、戦争の帰趨を決定していくという考え方に全体的が貫かれている。