備忘録

ー 経済概観、読書記録等 ー

太田弘子「経済財政諮問会議の戦い」

経済財政諮問会議の戦い

経済財政諮問会議の戦い

コメント 小泉政権下における2001年から2005年にかけての経済財政諮問会議をめぐるドキュメント。この間、特徴的だったことは、不良債権処理に代表される経済の構造改革に重きを置く政策運営*1と、平場の議論の重要性が増したことに表れているような政策決定プロセスの変化、と言えるだろう。後者については、例えば、p.39にある日銀総裁との緊迫したやりとりなど、興味深い記述がある。

*1:この点については、実際の政策運営は、2004年まで続いた巨額のドル買い・円売り介入や、2003年のりそな銀行処理にみられるように、必ずしも表面的なイメージとは異なるものであった可能性が高い。また、同政権下では、GDP比でみて税収が落ちたにも拘わらず一般会計歳出の規模がある程度維持されたことから、ケインズ的景気下支え効果をもたらしたとの指摘もある。