ラスカルの備忘録

ー 経済概観、読書記録等 ー

星亮一「会津落城 戊辰戦争最大の悲劇」

会津落城―戊辰戦争最大の悲劇 (中公新書)

会津落城―戊辰戦争最大の悲劇 (中公新書)

コメント 極めて美化された形で表現されがちな戊辰戦争における会津の戦いについて、その悲惨な結末がいかに藩首脳の無能さによってもたらされたのかが冷静に分析されている。戊辰戦争前の奥羽越列藩同盟の形成には、会津藩の外交力がいかんなく発揮されたものの、その後は戦略を欠き、白河口での敗戦を発端として同盟は瓦解、会津国境・城下での戦闘においても情報伝達の遅れ等基礎的な誤りを繰り返している。
 会津藩の戦いと対照的なのが、本間家を領内に抱え、領民を含めた結束力の高さを誇った庄内藩の戦い。殆ど大きな敗戦を経ずに降伏し、その後も(薩摩藩との関係を深めた結果)寛大な措置を得ている。資金力と諜報力の違いが、このような両藩の結末の違いを生んだのだろう。戊辰戦争における東北諸藩の対応も一枚岩ではなく、天童・織田藩等は庄内藩と戦い、城下を焼かれている。