ラスカルの備忘録

ー 経済概観、読書記録等 ー

保険の銀行窓販

 この問題の構図は、単純に国内大手生保と外国保険会社との利害対立です。国内生保の競争力の源泉は何かといえば、端的に言って「政治力」と「チャネル」。国内生保は独自の保険販売チャネル(所謂「保険のオバチャン」網)を構築しているが、外国保険会社には単独で国内生保並みのチャネルを構築する力はない。よって、銀行窓販の解禁は外国保険会社にとって大きなチャンスとなり、特に定期・終身保険でも解禁となれば、将来的に各社のシェアが大きく変わる可能性を生みます。同時に、多数の営業職員・保険外交員の雇用が失われる可能性があり、労組側からの反対も生じます。(一方、損保の場合、傘下に生保子会社を持つため、その利害はむしろ外国保険会社と一致します。)「圧力販売」に関する議論等は、かなり「建前」に近いものだと思われます。
 勿論、過度な競争は(銀行に支払われる)手数料の高騰や広告料の増加を招き、結果的に消費者の経済厚生を低下させるとの批判もあるでしょう。(実際、既に銀行窓販が解禁されている変額年金では、この様な問題が生じています。)商品内容の説明や保険会社の健全性基準のチェック等に関しては、消費者はこれまで以上に大きな責任を負うことになります。
 なお、記事では「金融庁は...与党などとの調整に入った」とのことなので、これからが国内生保随一の競争力(「政治力」)が発揮される場面と言えるでしょう。