ラスカルの備忘録

ー 経済概観、読書記録等 ー

竹内洋「大学という病 東大紛擾と教授群像」

大学という病―東大紛擾と教授群像 (中公文庫)

大学という病―東大紛擾と教授群像 (中公文庫)

コメント 「大学神話」の崩壊という事実は、既に創生期の東京大学経済学部にみることができるというのが本書の主旨。「一ノート20年」「半分休講」のエピソード等退屈な大学の現状(「承前」という言葉に続いてひたすらノートを読み上げる講義で、しゃれを言う箇所とその内容も毎年同じものであったという)と、労農派マルクス経済学者大森義太郎の進退問題に始まり、めまぐるしく進展する学内の派閥抗争。一方、当時から雑誌ジャーナリズムの知的水準は高いものであったとの指摘は興味深い。最後は、レージャー化した大学教育と「大衆化」した大学教員について指摘し、大学型知識の自省と再構築を求める。