ラスカルの備忘録

ー 経済概観、読書記録等 ー

James Hamilton“Paulson bailout”(Econbrowser)

And I agree with the Financial Stability Forum that the key changes we need to make to avoid such problems are more transparency in accounting and stronger capital requirements. Transparency is vital so that that creditors, shareholders, fund investors, and regulators can better perceive the risks to which they are exposed. Stronger capital requirements are necessary to ensure that the principal actors are risking their own capital and not just somebody else's.

 2002年以降の景気回復が続く中で存在感が希薄化し、一時は「官製不況」の元凶ともされた金融庁ですが*1、再びその存在感を<否が応でも>見せ付けられる時代が来るのかも知れません。ただし、過度に財務の健全性(stronger capital requirements)を求めることよりも、開示の面から規制を強化すること(more transparency in accounting)が重要でしょうね。企業の内部留保志向の高まりが労働分配率の低下の要因となり、ひいては格差問題にも関係していることは、先の連載にも書いたとおり。金融機関に対する財務規制を厳格化すれば、事業会社を、流動性を常に確保できるようなより保守的な経営へとさらに傾斜させることにつながる。

*1:これらの批判のうち、金融商品取引法に係るものには賛同しかねる。企業に内部統制の開示を求め、経営に対する市場参加者の関与を強める方向性は正しい。一方、貸金業法に係るものに関しては、(その所在を覚えていないが)大竹文雄先生のコメントが最もバランスのとれたもののように思う。