ラスカルの備忘録

ー 経済概観、読書記録等 ー

田中秀臣「上げ潮派ってなんでしょ?」(週刊ビジスタニュース)

 「上げ潮派」とは何か、またその理論的背景に関するとてもわかりやすい解説。

日本型は[本家アメリカのサプライサイド経済学とは]どうも一味違うようだ。その原因は「暗黒卿」もとい高橋洋一教授の斬新な着眼点とアイディアに依存している。埋蔵金を利用すれば、歳入減によることなく、公務員制度改革など「小さな政府」を実現しつつ、歳出減を行うことができる(野獣満腹化仮説とでも名付けようか)。さらに埋蔵金をもとに減税を行うことで労働や資本蓄積の意欲につながる(高橋版ラッファー曲線命題)。この日本型は本家とはすでに発想自体が異なるような気さえする。

 「埋蔵金活用→公務員制度改革→歳出減」というルートが高橋版サプライサイド経済学の独自性。一方、現在の政治過程では、「埋蔵金活用→歳出増」の流れで議論されている。いわゆる埋蔵金とは、ストックに関係して計測された金額であるので、負債(国債)の償還に充てるというのが筋。*1あるいはそれ以前に、そもそも特別会計とは一般会計とは分離された勘定であり、それを負担した者それぞれが応分の益を受けるというのがより本来的な姿である。公正さを欠いた形で埋蔵金を活用したいのであれば、相応の理屈が必要。

*1:埋蔵金で市中の国債を償還することにより、金利の低下を通じた景気回復が可能になることを、高橋教授自身が指摘している。