備忘録

ー 経済概観、読書記録等 ー

2008年12月データによる更新

 完全失業率は、ここ数ヶ月のブレはあったものの、ほぼトレンド的に悪化しています。コア物価は、原油価格の低下等にともない低下しており、食料(酒類を除く)及びエネルギーを除く総合は前月と同水準で、来月にはマイナスとなることが見込まれます(東京都区内の2009年1月の結果は0.3%の下落)。当初の予想の通り、日本経済は、再びデフレが深化してくることがはっきりしてきました。生産のフリー・フォールは引き続き継続しており、雇用は、しばらくは悪化しつづけることがおおむね確実でしょう。

 デフレの深化が反転する可能性は極めて低く、完全失業率は、過去最悪水準(5%台半ば)を優に超えることも視野に入れる必要がありそうです。今回の景気の局面では、完全失業率の水準からみてきわめて早い段階から、政府・与党には、これまでにないような大胆な雇用対策を策定する動きがみられました。*1その認識は正しいものであったことが、ようやくはっきりしてきたといえるでしょう。

*1:それに比べると、日本銀行の対応はきわめて遅い。このところの円高傾向は、国内経済の動きから説明することができるものではなく、このことが、日本銀行の(相対的な)対応の遅さを示す証拠となっています。政府・与党の足を引っ張る日本銀行の行動は、国民・納税者にとっては大変迷惑なものです。