ラスカルの備忘録

ー 経済概観、読書記録等 ー

このブログにおける銅鑼衣紋さんの発言

 このブログで、これまでに銅鑼衣紋さんからいただいたコメントのうち、主要なものをサルベージします。

○「循環変動を構造変動だと信じたい習性」について

銅鑼衣紋 2006/08/31 15:42
なんつーか、循環変動を構造変動だと信じたい習性のなぜるわざですなorz
バブルの最中は、構造変化で東京は世界の金融センターになりオフィス需要は無限大とか騒ぎ、次はアジアの爆発的成長は構造変化の結果とアジアバブル、そして日本の凋落は構造問題だから不可避で、デフレも構造デフレだから金融政策は効かない。今度は2007年問題だかで企業の労働需要はどんどん増えるから失業率は構造的に低下。増益体質への構造変化の結果、企業収益はどんどん増えるはずw
金森久雄の名言である「曲がり角、四回曲がれば元の場所」

○「パス・スルー率」(原油価格に対するインフレ率の感応度)の低下と、その金融政策ルールに依存したバイアスについて

銅鑼衣紋 2007/01/03 03:27
これってケインズオリジナルの流動性の罠と同じなんです。古典の常で、明示的なモデル(なんかあの本にはないという突っ込みは無しとしてw)には含まれていない話が一般理論にはごそごそありまして、一言で言えば「将来中央銀行は結局は不十分な景気回復の段階で利上げするだろう」という予想、つまり加藤氏がいう「鷹派の中銀」という予想があるから、長期金利短期金利をいくら下げても下がらなくなってしまうのが流動性の罠の発生する原因である(と読める)文章があります。DSGE以前は全部ゴミという元気の良い主張は結構ですが、分析的な経済学のアイデアなんてリカードからケインズまででほぼ網羅されており、サムエルソン以降はそのアイデアの精密な定式化つまり「綺麗な二番煎じ」と言えなくもない(笑)そもそも、森嶋先生は高らかに「経済学の究極目的は動学的一般均衡理論の構築である」と、その書名も「動学的経済理論」で宣言してますしねぇ。

○「動学化された世界で乗数効果を復活」させることについて

銅鑼衣紋 2007/01/04 11:52
で、加藤君のダメなところは、自分の言いたいアイデアを明確に述べないこと。私見によれば君が言いたいのは、DSGEというより、経済変動のメカニズムとして実質利子率による代替効果を中心に考える(新古典派w)的な発想を否定し、富や流動性という資産の分配による(広義の)所得効果を重視することでしょう?かつて、乗数効果を新しいパースペクティブで考えたいとか、流動性制約に直面している家計の消費は減税に反応する(つまり同じような金融制約に直面した企業の生産・投資行動も反応する)ということじゃないの?だから代替効果だけのニューケインジアン主流ことにそのトイモデルであるクルッグマンモデルに批判的で、清滝さんの主張にシンパシー感じてるんじゃないの?
つまり、動学化された世界で乗数効果を復活させたいというこ[と]でしょう?で、こうラベリングすると怒るだろうがw
スティグリッツや清滝あるいはバーナンキなどは、外見やモデルの細部は別にして真の意味でのニューケインジアンだが、小野やクルッグマンそして大勢の NKISLMは実はそうじゃないと。もし、この感想が正しいなら、最初からそういえば昔の議論も遥かに生産的だったのだが・・・

○近年の経済学説史研究について

銅鑼衣紋 2007/01/05 16:22
誤解なきように願いたいが、僕は別に経済学説史のお勉強が大切だなどとは言ってないことを強調したい。むしろ逆である。経済学説史家の大部分(というよりほぼ全部)は、文字通り訓故注釈に憂き身をつやしているのであって過去の大家の問題意識とか発見が今日の問題とどのように関連しているかなど気にもしていないように思える。
ケインズ流動性の罠の話は、別に学説史の話ではなく、ケインズが(脚注ではなくw)本文にはっきり書いてる話だ。しかも、デフレ下での短期金利ゼロ状態の分析としては新しいもの(歴史的には80年前だが、70年間誰も本気でやってなかったから、事実上10年前のもので『最近の研究』なのだw)
経済学説史家でケインズ登場以降の貨幣経済の理論の研究しているひとなど日本には皆無。読んでも無駄w

○日銀政策決定会合における情報統制について

銅鑼衣紋 2007/02/22 20:01
情報統制は本当に厳格だったか深刻な疑問があります。12時40分過ぎにNHKに一報が出ましたが、毎度の容疑者である政府委員は13時過ぎまで部屋を出ていないようです。誰がNHKに議長提案をリークし、銀行がロンバートで資金調達するのを助けたのか?闇は深い・・・

○IT化と経済的格差について

銅鑼衣紋 2007/11/25 12:38
一方では「IT化が進まず非製造業の生産性向上が実現していない。これが不況の原因だ」と叫びながら、もう一方では「格差はIT化の進展の結果でありある程度は許容せざるを得ない」と主張するような論調が多いですなぁ。お互い、頭悪いので、そういう曲芸には付いていけませんねぇ(笑)

○「日本のNAIRUは、おおむね3.51〜3.61%」について

銅鑼衣紋 2009/02/19 01:01
つーかねぇ、そもそも自然失業率が君の推定より低いんだと思うんだけど。2.5%位で行くのが結局はこういう資源配分の効率性も高めているわけで。


 (自分を含め、)ひとりの人間をけっしてなにか特殊なもののように扱うべきではない、という「含意」は、自分にとって、さまざまな経済書の「裏読み」から感じとることのできるものです。主要な著書を持たないことは、それを体現する一生なのかも知れませんが、残された人間にとっては、学ぶべきものが数多く残されることになるでしょう。