ラスカルの備忘録

ー 経済概観、読書記録等 ー

ジョン・メイナード・ケインズ『人口減少の若干の経済的帰結』

 下のサイトに全文が掲載されている上、翻訳が進められているようです。

http://nestofmacron.blog.shinobi.jp/Entry/1/

関連するhicksianさんとのTwitterでのやり取りを含め、要注目ではないかと思います。
 なお、ケインズの当該講演録の翻訳については、塩野谷九十九『経済発展と資本蓄積』(1951年)に一部が掲載されていることは知っていたのですが、今回、それがほぼ全文であったことが確認できました。個人的には、これに一部修正を加えたものを必要に応じて活用しようと思っていますが、それでも訳はこなれていませんので、マクロン氏の仕事には期待しております。
 塩野谷前掲書は、この講演録が後のハロッド・ドーマーによる動学的モデルの考え方を含んでいることに注目しているようです。このモデルでは、資本と労働が非代替的です。人間はある種の「慣習」をもって行動するものであり、資本需要と労働需要とが非連動的に動くことで、「マルサスの悪魔U.」の発生を招くことになるのでしょう。ただし、ケインズは最終的な総括として、「古いマルサスの結論から離反するものではない」とも述べています。
 最近、ネット論壇に注目することは単なる時間の無駄のように思っておりましたが、久しぶりに得した気分になることができました。

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