ラスカルの備忘録

ー 経済概観、読書記録等 ー

東日本大震災にともなう雇用見通しの修正

 いつも活用しているESPフォーキャスト調査の新しい調査結果が、4月12日付けで公表された。今回は、東日本大震災の影響もあり、前回とは大きく異なる結果となっている。先ずは、実質成長率について、1月の結果との違いを確認する。

 実質経済成長率は、2011年第1〜2四半期に、それ以前のプラス予測から一転してマイナス予測となり、特に、第2四半期は著しい低下となることが予測されている。ただし、第3四半期以降はプラスに転じ、2012年第2四半期まで、それ以前の予測を超えてプラスとなることが見込まれている。これらの見通しは、比較的早い段階で、復興需要が生じるであろうことを見越している。
 しかしながら、実質GDPを水準においてみると、2011年から大きく水準が低下し、その後は伸び率は高くなるものの、1月時点に予測された実質GDPの水準までには達しない。

 これを就業者数におき換えてみると、状況はより厳しくなる。2011年は就業者数が大きく低下し、その後半から横ばいないしやや増加する局面が現れるが、1月時点で予測された水準までには到底及ばないことがわかる。

 この格差は、需要不足による失業者が増加することとあわせて、設備が破壊されたことで働く場を失った失業者が増加することを意味している。仮に、後者の要因が大きければ、市中に出回る国内商品の量は必ずしも増加せず、失業者が増加しても、物価の低下にはつながらない可能性がある。商品の供給量が少なければ、企業には投資のインセンティブが生じ、雇用もしだいに増加する。今回のESPフォーキャスト調査は、復興需要が比較的早い段階で生じることを予測しているものの、同時に、これまでにあった需要の不足は今後も継続することを予測しているものでもある。