ラスカルの備忘録

ー 経済概観、読書記録等 ー

BLOGOS投稿の載録

 5月16日付けのBLOGOS Discussionに投稿した内容を、こちらにも載録する。

若者雇用戦略の骨子案が公表。効果はある?

若者の就職を支援する「若者雇用戦略」の骨子を政府がまとめました。

・参照リンク
若者雇用戦略の骨子(案)

日経新聞の報道によると最大の目玉は「大学内ハローワーク」となっています。これは、大学内にハローワークの窓口を設置し、地元企業へのインターンシップなどを後押しし、大企業志向の強い学生と企業を結びつけることが目的としています。

この骨子案では、その他にも「既卒3年を新卒扱いすることの標準化」などの施策が挙げられています。皆様は、今回の若者雇用戦略は効果があると思いますか。「もっとこうした施策をすべきだ!」というアイディアと合わせてご意見をお聞かせください。

(投稿内容)

 大学入試における大学と受験生のマッチングと、就活における会社と求職者のマッチングの違いは何でしょう?前者の場合、偏差値で自分の行けそうな大学がわかるので、受験の前にある程度選別され、大学の定員充足と受験生の入学が比較的マッチした形で行われます。一方後者の場合、偏差値のようなものがなく、みんなが一斉に「良い会社」(大企業)を目指すため、前者のようなきれいなマッチングが行われません。特に、就活にネットが使用されるようになって、その傾向は強まってます。よって、『戦略骨子(案)』に書かれているようなマッチング対策で、かつては高卒の就職対策で行われていたような適度の「振り分け」を実施することが必要になるわけです。そしてその主眼は、フリーターのような不安定就業者の数をできるだけ少なくすることだと思います。
 会社の経営状況が変わらなければ、求人の数も質も(それ程は)変わらず、行政が頑張ったところで「よい求人」が増えるわけではありません。また、理屈からすれば、労働者を搾取するような悪徳企業は良い人材を集められず、適正な労働条件で良い人材を集める企業によって淘汰されるので、いつまでも生き残れるわけではありません。つまり、ハローワークの求人条件が「悪い」といっても、それは主観的意見に過ぎず、総じていえば、それが現在の適正水準であるわけです。
 さらにいえば、学校基本調査をみると、いまや4年制大学進学者は高卒者の5割を超えています。バブルの頃でも、20%台半ば程度の進学率でした。かつてとはもう「大学進学」の意味は全然違います。意味が違う以上、就職支援の在り方も昔とは違うものになるのは必定でしょう。
 もちろん、景気が回復し、企業経営が改善すれば、求人の数は増え質も高まることになります。当たり前のことですが、景気の回復が重要であることはいうまでもありません。