ラスカルの備忘録

ー 経済概観、読書記録等 ー

SNAの日米比較──2012年第2四半期までのデータによる更新

 昨日、四半期別GDP統計の第2四半期分が公表されたので、日米比較を行ってみることにする。まずは、実質GDPの動きから。


 スケールの違いに注意が必要だが、実質GDPは、日米ともに民間投資を中心に弱いながらもプラスを維持し、とりあえずは堅調に推移している。*1日本については、公的需要の寄与が相対的に大きくなっているが、このところ、東北各県での建設業の労働力需要が落ち着きをみせており、先行きについて不安感は残る。

 つづいて、GDPデフレーターの動きをみる。


 相変わらすの日米の対照的な傾向がみられるが、日本については、交易条件の悪化にともなう低下要因が弱まっており、内需についても、マイナス寄与は縮小する傾向にある。続いて、国内需要デフレーターの動きを貨幣的側面からみる。


 日本のデフレーターのマイナスは続いているが、構成をみる限りでは、堅調な財・サービスの供給にともなうマイナス要因が大きく、貨幣流通速度はプラスに転じている。すなわち、日本経済の先行きは国内需要の持続性如何に関わっており、公的需要の引き続きの後押しや、民間投資を引き出すためのインセンティブの付与が重要となってくる。一方、米国については、日本と異なりデフレには陥っていないものの、貨幣流通速度は弱含んでいる。

*1:このグラフをみてつくづく考えてしまうのは、日本の実質GDPの二度にわたる大きな振幅と、それと比した完全失業率の安定した推移についてである。いまはやりの言葉を使うと、日本の雇用システムの「レジリエンス」さとでもいうべきか。