ラスカルの備忘録

ー 経済概観、読書記録等 ー

真の失業率──2012年12月までのデータによる更新

 先日のエントリーでは、不況時に就業意欲を喪失し労働市場から退出する者が発生することで失業率の悪化が抑制される就業意欲喪失効果の影響を補正し、完全失業率とは異なる方法によって推計した「真の失業率」の11月までの結果を紹介したが、今回は、推計の基礎となる潜在的労働力率を2012年まで延長推計た上で、12月までの結果を過去に遡って再計算した。

 まず、年間の結果をみると、足許の2012年の真の失業率は6.0%で、公表値の完全失業率4.3%に対して1.7ポイントの開きがある。

前回指摘したように、震災以降、真の失業率と公表失業率の間の乖離が広がる傾向がみられる。これまでは、雇用情勢が悪化すると就業意欲喪失効果が大きくなることから、失業率の上昇期に乖離が広がる傾向がみられたが、震災以降現在までの動きをみると、雇用情勢が改善期にあるにもかかわらず乖離が大きくなっている点が特徴的である。実際、統計資料には、失業者が減少する中で就業者も減少する傾向がみられ、今後、人口減少期を迎える中で、労働市場への参加率を高めることの重要性が高まる時代を迎えつつあることを窺わせる。

 つぎに、月次の結果をみると、傾向としては前回の結果と同様であるが、2010年以降の労働力率の高まりが潜在労働力率を引き上げた効果が今回の補正によって適用されたことから、真の失業率の水準は0.4ポイント上方改訂され、真の失業率と公表失業率の間の乖離傾向はより大きなものとなった。