ラスカルの備忘録

ー 経済概観、読書記録等 ー

デフレ脱却の兆し

 昨日、2013年第三四半期のGDP速報(一次QE)が公表され、実質GDP(季調値)は前期比0.5%の増加となった。民間投資(住宅、在庫を含む)と公的需要の寄与が大きく、純輸出はマイナスとなっている。特に注目されるのはGDPデフレーターの動きであり、前年比でみて今期もマイナスではあるが、その要因は純輸出、すなわち交易条件の悪化によるものであり、国内需要デフレーターは上昇に転じている。

 経済動向を貨幣的な側面からみるために、国内需要デフレーターの動きを、(1)市場における財・サービスの数量の増加が物価を引き下げる要因、(2)市中の貨幣量(マネーストック)の増加が物価を引き上げる要因、(3)貨幣流通速度(貨幣が取引のため一定期間に用いられた回数)の低下が物価を引き下げる要因の3つの寄与に区分してみると、2013年に入ってから(2)のプラスの寄与が次第に大きくなっている。(3)については、過去4期マイナス寄与であったものが今期はプラスに転じている。

 内閣府『消費動向調査』による期待インフレ率の推計値も、一時の停滞から再び上昇に転じており、デフレ脱却の兆しは次第にはっきりしつつある。結論からいえば、日本銀行の量的・質的な金融緩和は、経済主体の期待に一定の影響を与え、経済の好循環に寄与することができているとみることができそうである。