備忘録

ー 経済概観、読書記録等 ー

バートランド・ラッセル「幸福論」(2)

ラッセル幸福論 (岩波文庫)

ラッセル幸福論 (岩波文庫)

第10章 幸福はそれでも可能か

  • 幸福であるためには、追求すべき、困難ながらも実現不可能ではない目的が必要。
  • 幸福の秘訣は、(1)興味をできる限り幅広く持ち、(2)(自分の)興味を引く人や物に対する反応を敵意あるものではなく、できる限り友好的なものにすること。

第11章 熱意

  • 様々な状況において、人生に熱意を持つ者は、そうでない者よりも有利な立場にある。人生への興味を呼び起こすことで、退屈から解放される。ただし、興味や欲望を幸福の源にしたいのであれば、それは、健康や、愛する人々の愛情や、社会の尊敬などと両立するものでなければならない。
  • 文明社会にみられる熱意の喪失は、大部分、生きることに欠かせない自由を制限されることによる。

第12章 愛情

  • 安心感を抱いて人生に向かう者は、不安感を抱いて向かう者よりも格段に幸福。愛情には、なにがしかの保護的な要素が入ってくる。

第13章 家族

第14章 仕事

  • 仕事は、少なくとも、(1)退屈の予防、(2)野心を実現する機会の提供、という効果を持つ。また、おもしろい仕事は、はるかに高度な満足を与え、その要素は、技術を行使することと、建設すること。
  • 自尊心がなければ真の幸福は不可能。自分の仕事を恥じている人間は、自尊心を持つことは到底できない。
  • 人生を一つの全体として眺める習慣は、知恵と真の道徳のどちらにとっても必要不可欠な部分であり、教育において促進されるべき事柄の一つ。

第15章 私心のない興味

  • 自分の生活において実際的に重要性のないものに興味を持つことができないことは、不幸や疲れや神経疲労の原因の一つ。
  • 自分の仕事にばかり興味を持つ者は、狂信(一つか二つのことを追求するにあたって、他の種類の害が偶々生じても大したことではないと考えること)に陥りやすく、そのような気質の予防策としては、宇宙における人間の生命と位置とを大きく認識することに勝るものはない。

第16章 努力とあきらめ

  • 中庸は、おもしろくない教義であるが、多くの事柄において真実。中庸を守ることは、努力とあきらめのバランスに関して必要。

第17章 幸福な人

  • 幸福な人生は、不思議なまでによい人生と同じ。職業的な道徳家は、自己否定を重んじすぎてきた。必要なのは、自己否定ではなく、興味を外に向けること。

(本書へのコメント・感想はまた後日。)