適菜収「キリスト教は邪教です!」
キリスト教は邪教です! 現代語訳『アンチクリスト』 (講談社+α新書)
- 作者: フリードリッヒ・ニーチェ,適菜収
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2005/04/21
- メディア: 新書
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超訳「アンチクリスト」
ニーチェの哲学書を演説風の言葉で訳したもの。超わかりやすい。本書は、キリストその人ではなく、僧侶的なものに対する批判。キリスト教的な道徳は、弱い人間の恨み辛みから発生した「ルサンチマン道徳」であるとする。「真理」は信仰とは別であり、「幸福」は力が漲っていくこと、勝ち抜いたということ、頂点を極めたということであって、信仰がそれを約束するものではない。これをヒルティの幸福論に対比させるというのも面白いかも知れない。
なお、その口調は、次のような感じ。
世の中にはみすぼらしくていやらしい人間がたくさんいます。
その中でも一番下等なのは社会主義者でしょう。
仕事に対する意欲、働く楽しみ、仕事を成し遂げたときの満足感。それらに対し、いやらしい悪意を持って攻撃するのが、社会主義者という名の下層民です。
労働者を嫉妬させ、復讐を教えるのが彼らのやり方です。
不正は決して権利の不平等にあるのではありません。
不正は権利の「平等」を要求することにあるのです。
これまで言ってきましたように、「弱さ」「嫉妬」「復讐」から、劣悪なものは生まれます。
無政府主義者とキリスト教徒は、結局同じ穴のムジナなのですね。
(爆)。