恒例ですので、今年もこのエントリーを書くことにします。今年は久方ぶりに、ツボに嵌る読書経験ができたように思います。他に嵌ったものとしては、コーセラの機械学習講義(by Andrew Ng)、慶応大学の数理物理講義(藤谷洋平)、iPadにインストールしたTex Writer & Verbosus / Anoc等々。今更ですが、最近のオープンオンラインコースの充実ぶりには目を見張るものがあります(つくづく、人生をやり直したくなります・・・)。
國重惇史『住友銀行秘史』
イトマン事件は自分にとって同時代史とはいえないものの、戦後最大級の経済事件であり、記憶には残る。今年は山崎拓『YKK秘録』なども読んだが、登場人物が重なっていたりして興味深かった。時代の空気は今とはかなり違う。ところで山崎前掲書について、自分にとっては同時代史であるため、「書かれていないこと」についても当時の報道など懐かしく思い出すわけだが、今の若い人にとっては素っ気なく感じるかも。中室牧子『「学力」の経済学』

- 作者:中室 牧子
- 出版社/メーカー: ディスカヴァー・トゥエンティワン
- 発売日: 2015/06/18
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
石原千秋『秘伝 中学入試国語読解法』

- 作者:石原 千秋
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1999/03/01
- メディア: 単行本
高田瑞穂『現代文読解の根底』
石原千秋の解説を併せて読むことで、現代における「近代的自我」の限界を理解することができる。今年は、先にあげた本のほかにも『大学受験のための小説講義』、『教養としての大学受験国語』等を読み現代文の読解に「嵌った」が、年を経ても、読解力の上達は難しいものである。竹内淳『高校数学でわかるフーリエ変換 フーリエ級数からラプラス変換まで』
このシリーズを読むのは流体力学に次いで2冊目。内容はわかりやすく、丁寧な記述で、その分野の「ツボ」を理解したいと思うときには極めて有効なシリーズ。シリーズの中にはシュレディンガー方程式もあり、いま読んでいるところだが、量子力学について初めて「わかった」ような感覚を味わっている。イアン・スチュアート(富永星訳)『若き数学者への手紙』

- 作者:イアン スチュアート
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2015/07/09
- メディア: 文庫
アミール・アクゼル(青木薫訳)『「無限」に魅入られた天才数学者たち』

- 作者:アミール D アクゼル
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2015/09/09
- メディア: Kindle版
ドナル・オシア(糸川洋訳)『ポワンカレ予想』

- 作者:ドナル オシア
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2014/09/27
- メディア: 文庫