ラスカルの備忘録

ー 経済概観、読書記録等 ー

真の失業率──2021年1月までのデータによる更新

 完全失業率によって雇用情勢を判断する場合、不況時に就業意欲を喪失し労働市場から退出する者が発生することで完全失業率が低下し、雇用情勢の悪化を過小評価することがある。この効果(就業意欲喪失効果)を補正し、完全失業率とは異なる方法で推計した「真の失業率」を最新のデータを加えて更新した。今回は、推計の基礎となる潜在的(均衡)労働力率を2020年まで延長推計した上で、2021年1月までの結果を過去に遡って再計算した。

 まず年間の結果をみると、2020年の真の失業率は3.8%と前年より1.4ポイント上昇した(公表値である完全失業率は2.8%と前年より0.4ポイント上昇)。前回推計値と比較すると、若干の上方改訂となった(2019年は2.4%で改訂なし)。

 つぎに1月の結果をみると、完全失業率(季節調整値)は2.9%と前月より0.1ポイント低下したが、真の失業率(季節調整値)は3.5%と前月(3.5%)と同水準となった。完全失業率は(当面)ピークを打ったとみられる。(12月の真の失業率(季節調整値)は、前回は2.6%としていたが、改訂および季節調整により足許で0.9ポイント程度上振れし3.5%となった。)

 所定内給与と消費者物価の相関に関する12月までの結果は以下のようになる。今月は、物価が変わらない中、賃金は上昇した。

(注)本稿推計の季節調整法は、完全失業率(公表値)を除き、X-13-ARIMA-SEATS(曜日効果、異常値はAICテストにより自動検出(モデルは自動設定))としている。

(データダウンロード)
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