ラスカルの備忘録

ー 経済概観、読書記録等 ー

ロナルド・ドーア氏講演「市場個人主義の時代」

労働政策研究・研究機構において配信中。近著については、05/10エントリー参照。
(追記)ライブドアニッポン放送間の訴訟についての言及の詰めの甘さといった点はさておき、稲上先生が日本の経営者に期待したいと発言した点に対し「おめでたい」と表現された部分など、聞き所多し。この部分について、詰めた議論は行われていないが、例えば、日本の優良企業において、外国人株主や年金基金の比率が高まっていること(しかも信託口とかナッツ・クムコとか、実態がよく見えない形で)を考えると、「おめでたい」と言われるのもさもありなんか。日本の金融機関にしても、(資産運用面を含め)収益性の向上が重要な命題となっている。つまり、株式の持ち合いというのは、いわゆる「日本的」雇用/商慣行を考える上で、重要な制度的一翼を担っているのではないかということ。また、市場の規律という考え方について、稲上先生の否定的な見方が示されているが、この点はもう少し詰めた議論が必要ではないか。少なくとも、適切な情報開示の下で市場参加者のチェックを受けることは、企業の統制ということを考える上で、(恐らく最も)重要な役割となっているのではないかと感じることが多々あるので。