備忘録

ー 経済概観、読書記録等 ー

2011-07-01から1ヶ月間の記事一覧

自殺率を説明する各種指標に関するメモ

1.今回の分析では、1人あたり雇用者報酬と有効求人倍率を、それぞれ所得、雇用に関する指標として別々にあつかった。一方、既存研究では、完全失業率など雇用に関する変数に一元化して回帰するケースが多い。この点については、つぎのような二つの事例か…

所得と自殺率の相関性(補足・その3)

これまでのエントリーの締め括りとして、自殺率を被説明変数とするパネルデータを分析する。今回用いる自殺率は、自殺予防総合対策センター『自殺対策のための自殺死亡の地域統計1973-2009』に掲載されている男性の年齢調整自殺率(1996〜2008年)とし、説明…

所得と自殺率の相関性(補足・その2)

前回までのエントリーにおいて残された、自殺率を説明する所得水準、高齢化以外の要因を探るため、今回は、説明変数に有効求人倍率、年間日照時間、ソーシャル・キャピタルの水準(SC指数)を加えたモデルで回帰分析を試みる。被説明変数は、前回同様、ク…

所得と自殺率の相関性(補足)

前回のエントリーでは、都道府県別のクロスセクション・データによって、所得水準と自殺率の間に相関性があることを確認した。ただし、この分析では、高齢化率が所得水準と自殺率の双方に関係をもっているため、見かけ上、所得水準と自殺率の間に相関性が生…

東北6県の所得の低下と自殺率

デフレは、物価と所得が相互に関係することで、名目所得の低下と強く関係するが、名目所得の低下は、必ずしも全国で一律的に生じているわけではなく、地域ごとに、その度合いには違いがある。試みに、東北6県と全国の名目所得(マクロの雇用者報酬)の推移…