備忘録

ー 経済概観、読書記録等 ー

2006-06-01から1ヶ月間の記事一覧

関連して、再びecon-economeさんによる同論文の整理

日銀が現行の量的緩和策をより進めて、直接的に物価安定にコミットし、早期にリフレ政策(物価水準目標政策)の導入を進めていくのが好ましい。ある一定の目標物価幅の中での裁量政策こそ市場の理解に裏打ちされた政策、責任を持ったセントラルバンカーとし…

三尾仁志「新しいケインズ経済学の下での最適金融政策分析:裁量とコミットメントの意義」(日銀レビュー)

新しいケインズ経済学では、経済構造は、①総需要面の関係であるIS曲線:x(t)=E[x(t+1)]-s( r(t)-r*(t) ), r(t)=i(t)-E[dp(t+1)]*1…(1) x:GDPGAP, r*:自然利子率*2 、②総供給面の関係式であるフィリップス曲線:dp(t)=E[dp(t+1)]+b・x(t)+pshock(t)…(2) の2…

関連して、econ-economeさんによる同論文の整理

現下の不確実性の程度を小さくすることがまず必要であり、そのためには、虚心坦懐に不確実性をもたらす各要因を精査することが必要。需要側および供給側のショックに対応した中央銀行の政策運営におけるコミットメント政策の有用性に加えて、本論文の含意か…

武藤一郎、木村武「不確実性下の金融政策」(日銀レビュー)

外生ショック(原油価格、世界経済の変動等)、マクロ経済の構造(政策乗数、GDPGAPの計測誤差等)、さらには社会の経済厚生関数など、様々な不確実性が存在する場合に、どのような政策対応を行うべきか、について、理論的な考察を行っておく必要がある。 金…

大鹿靖明「ヒルズ黙示録 検証・ライブドア」

ヒルズ黙示録―検証・ライブドア作者: 大鹿靖明出版社/メーカー: 朝日新聞社発売日: 2006/04メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 90回この商品を含むブログ (65件) を見るコメント ライブドアや六本木ヒルズに関係する人間模様が、ジャーナリスト的な視点か…

田中秀臣「英The Economist誌での日本の不平等論争の紹介」

同誌は大竹さんの主張を支持してまして、規制緩和があってドライバーが賃金低下ながらも職をえたことが日本の所得格差を縮小しただろう、と書いてます。なぜならそうしないと彼は失業しただろうからと。同誌は基本的に雇用の流動化が日本経済を停滞から脱し…

手嶋龍一「ウルトラ・ダラー」

ウルトラ・ダラー作者: 手嶋龍一出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2006/02/28メディア: 単行本 クリック: 24回この商品を含むブログ (127件) を見るコメント 佐藤本に引き続き、外交・インテリジェンス物。北朝鮮、中国、台湾、日本の諜報を通じた位置関係、…

「これからの雇用戦略−誰もが輝き意欲を持って築く豊かで活力ある社会−」(労働政策研究・研修機構労働政策研究報告書 No.63)

報告書の内容 hamachan先生のお薦め。総論にあたる第2部第2章まで読了。ここまでの内容を自分なりに要約してみようと思うが、まず、雇用戦略を策定するにあたって、経済・社会環境の変化や我が国及び諸外国の雇用政策・雇用戦略について、以下のように整理…

柘植久慶「あの頃日本は強かった−日露戦争100年」

あの頃日本は強かった―日露戦争100年 (中公新書ラクレ)作者: 柘植久慶出版社/メーカー: 中央公論新社発売日: 2003/10メディア: 新書 クリック: 3回この商品を含むブログ (4件) を見るコメント 日露戦争について、国力の劣る日本がロシアに勝利した要因を、両…

「真の失業率」と労働力人口の変動

BI@Kでは、毎月、「真の失業率」なる試算値を掲載している。これは、(1)完全失業率の分母である労働力人口について、労働力人口比率が0.64(直近ピークの1992年)であると仮定し、これを15歳以上人口に乗じた値とする、(2)完全失業率の分子である失業者…