備忘録

ー 経済概観、読書記録等 ー

2005-08-01から1ヶ月間の記事一覧

「A Working Model」(Economist)

IS(investment/saving) curveは財市場の均衡。投資=貯蓄となる産出量と金利の関係を示す(右下がり)。LM(liquidity/money) curveは金融市場の均衡。貨幣需要が供給と一致する産出量と金利の関係を示す(右上がり)。*1両者の交点において、財市場と金融市…

清水谷論「期待と不確実性の経済学」

期待と不確実性の経済学作者: 清水谷諭出版社/メーカー: 日本経済新聞社発売日: 2005/02メディア: 単行本購入: 3人 クリック: 45回この商品を含むブログ (14件) を見るプロローグ マクロ経済政策のミクロ的実証を 70年代以後、いわゆる「ルーカス批判」をき…

「産業構造審議会産業金融部会中間報告−次世代の企業財務と産業金融機能のあり方について」(経済産業省)

コメント ミクロの観点から、金融・資本市場の基盤整備を唱えるものであるが、マクロの観点からみた資金需要の実態からは、その重要性は小さいと言えるのではないか。あるいは、多様なファイナンス手法が制度的に整備されることで、新たな資金需要が生まれる…

呉敬蓀×青木昌彦「リアルチャイナ 成長モデルの限界見つめよ」(日経ビジネス 07/18号)

(呉)中国のこれまでの成長は、資本の大規模な投入に依存したものであるが、私見では、このような成長モデルには一定の限界。(青木)中国がグローバル経済と調和をとりながら、安定した発展を維持するには、エネルギーと環境が大きな制約。 (呉)先進資本…

高橋伸夫「10年先にあるべき経営を自ら考えよう」(日経BPインタビュー)

株主への配当を除けば、成果配分には二つの方法があるということなのです。一つは「賃金」、もう一つが(中略)「投資」で、投資には必ず仕事がついてきます。ところが、人事コンサルタントや賃金の専門家は、成果配分というと賃金しか思い浮かばない。成果…

小林慶一郎「誰のための財政再建か」(MM日本国の研究 08/04/05発行)

財政赤字の対GDP比は約8%程度で推移しており、このままでは債務比率は無限大になるため、財政運営は長期持続的なものではない。ただし、政府は約430兆円の金融資産を持っており、これを差し引いた純債務はGDPの約70%程度。欧米と比較しても、必ずしも悪いも…

07/08付けエントリーに関連して、「希望格差社会」(内田樹の研究室)

「リスク社会」とは何か、山田さんはこう説明する。それは「リスクをとることを強制される社会」、「選択を強制される社会」のことである。「自分のことに対しては、自分が決定する。これが自己決定の原則である。そして、自分で選択したことの結果に対して…

郵政民営化関連6法案(内閣官房郵政民営化準備室)

本日の参院本会議にて否決、廃案。今後は、当面の公社形態を暫く継続するか、妥協案として郵便事業と窓口ネットワークのみを公社形態とするか、といったところであろうが、前者については、現行公社の経営手法では、様々な分野で弊害やコンフリクトが生じる…

損保委員会 実務基準部会(日本アクチュアリー会)

http://www.actuaries.jp/comm/sonpo_jitumkjn.html

ニート問題に関する備忘録的整理(その2)

前回は、「ニート」と呼ばれる者について、内田樹「資本主義の黄昏」(05/19日付けエントリー参照)で論じられるような者を真性ニートと考えると、リフレ期において非労働力人口から失業者または就業者へ移るような若年無業者等*1は別のカテゴリーとなる点を…

ベネット・マッカラム「金融政策の最適性に関する適切なパースペクティブは何か?」(IMES Discussion Paper Series)

1.はじめに2.モデルの定式化の例 標準的に認められるモデルに基づき、中央銀行は、時間t=1において、条件式の条件の下で、次のL1を最小化しようとすると仮定。民間経済主体の割引率D_1は、中央銀行の割引率Dと異なり得るが、さしあたりD_1=Dと仮定。 L1=…

永井均「私・今・そして神」(その3)

私・今・そして神 開闢の哲学 (講談社現代新書)作者: 永井均出版社/メーカー: 講談社発売日: 2004/10/19メディア: 新書購入: 4人 クリック: 30回この商品を含むブログ (102件) を見る06/26付けエントリー中、第3章に追記。その上で、 この言語(中略)の、…