備忘録

ー 経済概観、読書記録等 ー

2008-07-01から1ヶ月間の記事一覧

2008年6月データによる更新

コスト・プッシュ・インフレが継続する中、雇用情勢は悪化の懸念。将来的には、右下方向へのポイントの異動がはっきりしてくるだろう。ちなみに、食料(酒類を除く)及びエネルギーを除く総合は0.1%増(前月0.1%減)。 最適金融政策は、下に示される厚生損…

労働生産性、労働分配率と生活水準に関する考察(4)

(過去のエントリー) 労働生産性、労働分配率と生活水準に関する考察(1) 労働生産性、労働分配率と生活水準に関する考察(2) 労働生産性、労働分配率と生活水準に関する考察(3) 承前。 これまで、労働生産性(就業者1人当たりの国内総生産)の変動…

川本卓司、笛木琢治「景気循環要因を取り除いた生産性の計測 ―2000年以降の上昇とその背景、分配面への影響―」(日銀レビュー)

生産関数を用いた生産性の計測は「労働生産性、労働分配率と生活水準に関する考察(2)」で行ったが、04/17付けの上記日銀レビューをこの関連で紹介する。 TFP成長率の計測 まず、全要素生産性(TFP)成長率の計測について。TFP成長率は、先日のエ…

労働生産性、労働分配率と生活水準に関する考察(3)

(過去のエントリー) 労働生産性、労働分配率と生活水準に関する考察(1) 労働生産性、労働分配率と生活水準に関する考察(2) 承前。 前回は、実質賃金を決定する原動力である労働分配率を、生産関数アプローチによって分析したが、その結果を簡潔に整…

労働生産性、労働分配率と生活水準に関する考察(2)

(過去のエントリー) 労働生産性、労働分配率と生活水準に関する考察(1) 承前。 前回は、実質賃金(貨幣の購買力を加味した実質的な賃金水準)の増減率について1970年代から現在までの推移を概観し、実質賃金増減率は1970年代と比較して現代では明らかに…

労働生産性、労働分配率と生活水準に関する考察(1)

ちょっと前になるが、賃金上昇率と物価上昇率の関係が話題になった。日本経済は、1970年代に記録的なインフレを経験したが、その当時の賃金上昇率はそれ以上に大きかった。その一方、マイナスの物価上昇率が続いた1990年代後半以降、賃金上昇率はマイナスと…