備忘録

ー 経済概観、読書記録等 ー

2008-04-01から1ヶ月間の記事一覧

2008年3月データによる更新&本論より長くなった追記

完全失業率は若干改善したが、先行き悪化の懸念が残る中で物価は上昇している。今月は、食料(酒類を除く)及びエネルギーを除く総合でもプラス(0.1%の上昇)。このところ、賃金が物価と連動するように上昇しているが、これら相互のメカニズムについて要検…

「医師不足」と「理系離れ」の間に感じる違和感

昨今、目につく報道に「医師不足」の問題があり、医師の勤務環境の過酷さ、特に、産婦人科、小児科での医師の不足、病院における患者の受入れ拒否等さまざまなかたちで取り上げられている。その原因としていわれているのが、大学医局の求心力の低下、新人医…

J・M・ケインズ「雇用、利子および貨幣の一般理論 上」(1)

雇用、利子および貨幣の一般理論〈上〉 (岩波文庫)作者: ケインズ,間宮陽介出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2008/01/16メディア: 文庫購入: 8人 クリック: 296回この商品を含むブログ (54件) を見る第1章 一般理論 古典派の理論が妥当するのは特殊な事例…

シンシア・シャピロ「外資系キャリアの出世術 会社があなたに教えない50の秘密」

外資系キャリアの出世術作者: シンシア・シャピロ,野津智子出版社/メーカー: 東洋経済新報社発売日: 2008/02/29メディア: 単行本購入: 3人 クリック: 78回この商品を含むブログ (19件) を見る 組織人としての作法 原題は"Corporate Confidential"。米国企業…

サービス産業の生産性が低いことに関する一つの仮説

中尾武彦「アメリカの経済政策 強さは持続できるのか」に関するエントリーで、下のように記載した。 「労働の移動や産業・企業組織の変革の柔軟性を高め、生産性の上昇を図っていく」ことの重要性を指摘しつつ、日本のサービス業のきめ細かさを評価している…

90年代の格差論争

90年代の2つの格差論争について、以前に作成したまとめをここに紹介します。 この2つの論争では、就職氷河期世代の問題やデフレの格差への影響は触れられておりません。これらについては、既に何度も取り上げておりますが、下の3つのエントリーを行ってお…

政府統計の総合窓口

総務省統計局のホームページが変わり、使いやすくなっているようです。 e-stat 政府統計の総合窓口 また、下の情報は随時更新しておりますので、是非ご活用下さい。情報提供も受け付けております(国内及び国際機関の情報に限る)ので、その際は、当該エント…

大竹文雄、橘木俊詔「最低賃金を考える」(日本労働研究雑誌 2008.4)

http://www.jil.go.jp/institute/zassi/backnumber/2008/04/pdf/002-011.pdf 最低賃金をどう考えるかに関してよくまとまった(ネットで読める)論文としては、既に下のものがある。 明日山陽子「米国最低賃金引き上げをめぐる論争」 この対談も、近年の最低…