備忘録

ー 経済概観、読書記録等 ー

2005-03-01から1ヶ月間の記事一覧

関連して、「日銀による新ケインズ派のIS-MP分析の解説」(ハリ・セルダンになりたくて)

この解説に関する個人的感想を述べると、「式を書けば一目で分かるものを言葉で解説するのは面倒だ」というものである。自分できちんと数式で説明したIS-MP分析のsurveyを(英語でだけど)書くかなぁ。 待たれるところ。

鵜飼博史、鎌田康一郎「マネタリー・エコノミクスの新しい展開:金融政策分析の入門的解説」(日銀レビュー)

IS−LM分析には、①ミクロ経済的な基礎がない、②価格の硬直性をアド・ホックに仮定、③期待の役割を厳密に定義しないとの問題。New Keynesianは、①経済主体の最適化行動を基礎に持ち、②期待の役割を厳密に扱う新たなモデルを提示。 この枠組みは、①今期の総…

今野浩一郎「勝ちぬく賃金改革」

勝ちぬく賃金改革―日本型仕事給のすすめ作者: 今野浩一郎出版社/メーカー: 日本経済新聞社発売日: 1998/02メディア: 単行本 クリック: 4回この商品を含むブログ (4件) を見るコメント 企業の賃金制度、特に、従来の職能資格(Input)的/年功的な制度からよ…

「階層化=大衆社会の到来」(内田樹の研究室)

オルテガは「大衆」をこう定義する。 「大衆とは、自分が『みんなと同じ』だと感ずることに、いっこうに苦痛を覚えず、他人と自分が同一であると感じてかえっていい気持ちになる、そのような人々全部である。」 この言葉遣いは一見するとニーチェの「畜群論…

労働力調査等

2003年以降、労働力調査及び一般職業紹介状況でみたUV曲線は、45度線(均衡失業率)の方向へ着実に移動。UV曲線は循環するため、現在の局面では原点から離れる方向に移動する(均衡失業率は高まる)が、これをもって構造的・摩擦的失業が増加していると…

「吐息の日々〜労働日誌〜」における「「成果主義」についてどう考えるか?」(JMM 03/28/05発行) へのエントリーとコメント

成果主義は企業内の配分を決定する仕組みの中の一部であり、レント(企業間の話)とは別問題。現実の賃金・給与水準は、企業外では労働市場、企業内では経営事情と団体交渉を通じて決定されるのであり、あるべき論的な議論は決定不能。

湯山光俊「はじめて読むニーチェ」

はじめて読むニーチェ (新書y)作者: 湯山光俊出版社/メーカー: 洋泉社発売日: 2005/02メディア: 新書 クリック: 3回この商品を含むブログ (14件) を見る第1章 フリードリッヒ・ニーチェ年代記−「三段の変化」第2章 フリードリッヒ・ニーチェの思想−「発見…

失業率と自殺率(svnseeds’ghoti!)

コメント 有名な統計的因果性であるが、統計的推測まで踏み込んだ丁寧な説明。統計的因果性については、03/17付けエントリーを参照。なお、標記のブログにおける最近のエントリー(03/23)では、「ニート」に関する論考も*1。 最近では、労働(経済)政策のタ…

関連して、ichigoBBSにおけるザモデル氏の反論

http://www.ichigobbs.net/cgi/15bbs/economy/0290/712-719

小林慶一郎「インフレ政策の財政的帰結」(RIETI Discussion Paper Series)

http://www.rieti.go.jp/jp/publications/dp/02j005.pdf1 Krugman Model Krugman Model:代表的家計経済、効用関数:U=1/(1-rho)・ΣDt・ct^(1-rho)、Cash-In-Advance制約:p(t)c(t)y(t)、以上に政府部門を導入し、s(t):納税額、B(t):購入した国債として、…

元橋一之「ITイノベーションと日本経済:残された成長ポテンシャル」(RIETIコラム)

90年代におけるTFPの加速度的な上昇は、驚異的なスピードで技術革新を続けるIT産業が経済全体に占めるシェアを拡大したことの影響が大きい。IT投資のGDPに占める割合は2000年時点で5%程度とまだ小さいので、今後ともマクロ経済の生産性の上昇を引っ張ってい…

池田信夫「昔話で日本経済を語るディレッタント」

クルーグマンのモデルでは、実質金利の均衡水準が負になっていることが日本のはまった「罠」なので、期待物価上昇率を引き上げれば(名目金利が非負でも)均衡は回復するということになっているが、ここでは期待は外生変数なので、どうすればインフレ期待が…

日本の「経済成長」をどう考えればいいか?(JMM 03/14/05発行)

概要 真壁昭夫:エコノミスト 経済成長は、労働投入量、資本装備率、生産性の3つの要素からなる。生産性の向上が我が国経済にとって重要なポイント。新技術開発で、他国に作ることのできない新製品を作り出すことで、経済を活性化できる。 中島精也:伊藤忠…

浜田宏一「日本経済の諸問題とマクロ経済学」

第1回 なぜ日本経済は停滞しているのか 現代経済学の特徴は、その動学的性格。 「貨幣の中立性」がマクロ経済学の公準。 マクロ経済政策が経路を変えようとすれば、絶えず相対価格、資源配分にはミクロの論理が働く。だからミクロの論理と矛盾しないマクロ…

ポール・グルーグマン(山形浩生訳)「復活だぁっ! 日本の不況と流動性トラップの逆襲」

http://cruel.org/krugman/krugback.pdf2 流動性トラップの理論再訪2.2 マネー、金利、価格:最低限のモデル モデル:1財、代表的エージェント経済、効用関数はU=1/(1-rho)・ΣDt・ct^(1-rho)で、消費ctに依存(Dt:割引率、rho:定数)、各エージェント…

関連して、「金融経済の専門家 労組を語る」(吐息の日々〜労働日誌〜)へのコメント

ロナルド・ドーア「声なき声になったデフレ退治論」(RIETIポリシーディスカッション)

道義問題ばかりではない。階級的利害も大いに入ってくる。金の価値を侵食するインフレを嫌って、金の価値を引き上げてくれるデフレをさほど苦にしないのは、やはりお金を持っている人達である。また、そういう裕福な所得階層はデフレがもたらす失業増加、経…

田中秀臣「経済論戦の読み方」

経済論戦の読み方 (講談社現代新書)作者: 田中秀臣出版社/メーカー: 講談社発売日: 2004/12/18メディア: 新書購入: 2人 クリック: 31回この商品を含むブログ (47件) を見る第1章 「実践マクロ経済学」のコア 財政支出は乗数(限界貯蓄性向の逆数)を乗じた…

前書を読む合間に

歴史の嘘と真実―誤解だらけの「正義」と「常識」 (祥伝社黄金文庫)作者: 井沢元彦出版社/メーカー: 祥伝社発売日: 1997/07/20メディア: 文庫 クリック: 2回この商品を含むブログ (4件) を見るコメント 「穢れ」「言霊」の見方には一理あるのだろうが、ある事実か…