備忘録

ー 経済概観、読書記録等 ー

2006-12-01から1ヶ月間の記事一覧

加藤涼「現代マクロ経済学講義 動学的一般均衡モデル入門」(その1)

現代マクロ経済学講義―動学的一般均衡モデル入門作者: 加藤涼出版社/メーカー: 東洋経済新報社発売日: 2006/12/01メディア: 単行本購入: 5人 クリック: 195回この商品を含むブログ (34件) を見る第1章 動学的一般均衡モデル−マクロ経済学の再出発− 「通常」…

加藤涼「新しいISLM/ADAS分析−動学的一般均衡モデルの紹介」

http://www.ryokato.org/genmac/NISLM.pdf 原油価格上昇率の変化がインフレ率の変化に与える影響(感応度)をパス・スルー率と呼ぶが*1、その値は長期的にみて現在かなりの低水準。この理由として、一般には、①原油依存度の低下、②原油価格が製品価格へ転嫁…

「労働力の再生産」を組み込んだ経済モデル

非常に今更感はあるのですが、「一部門、固定係数生産関数による日本経済の現状の分析の試み(その1、その2)」(労働、社会問題)*1において指摘していないこのモデルの重要な特性は、「労働力の再生産」、つまり出生・死亡を通じた(労働力)人口の変動…

S・レヴィット、S・ダブナー(望月衛訳)「ヤバい経済学 悪ガキ教授が世の裏側を探検する」

ヤバい経済学 ─悪ガキ教授が世の裏側を探検する作者: スティーヴン・レヴィット,スティーヴン・ダブナー,望月衛出版社/メーカー: 東洋経済新報社発売日: 2006/04/28メディア: 単行本購入: 15人 クリック: 383回この商品を含むブログ (330件) を見るコメント …

今年の○冊

今年も10冊も上げられるだけの読書量はないので、取りあえず昨年同様何冊か挙げておきます(あくまで「今年読んだ若しくは読み返した本」という意味です)。直近に近いところから順に、①アルバート・ハーシュマン(矢野修一訳)「離脱・発言・忠誠−企業・組…

飯田泰之「ダメな議論−論理思考で見抜く」

ダメな議論―論理思考で見抜く (ちくま新書)作者: 飯田泰之出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2006/11/01メディア: 新書購入: 23人 クリック: 1,054回この商品を含むブログ (177件) を見る本書の内容 本書では、「無内容な主張」「明らかに間違えている主張」…

神田秀樹「会社法入門」

会社法入門 (岩波新書)作者: 神田秀樹出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2006/04/20メディア: 新書購入: 5人 クリック: 30回この商品を含むブログ (79件) を見る第1章 なぜ、いま新「会社法」か 世界的に普及する株式会社形態の特質は、①出資者による所有、…

ワーク・ライフ・バランスについて(その2)

12/07/06付けエントリーの続き。現実というのは唯1つしかない。(私の見ているこの現実と、あなたの見ているこの現実は違うというような話が正当化できるのなら別だが。)その現実を変える手法としては、①ある種の規範性に即して、あるべき姿へと一挙に変革…

ワーク・ライフ・バランスについて(その1)

日本キャリアデザイン学会のメルマガにある「キャリア辞典」(執筆者は荻野勝彦氏)において、「ワーク・ライフ・バランス」に関する連載が始まった。この言葉、2005年頃から急に使われるようになった言葉のようで、当初は少子化との関係で論じられることが…

佐々木昭一郎

ずいぶん昔に見たテレビドラマの記憶が残っているのに、その作品の題名が思い出せないと言うことがあるが、それが偶々この人の演出作品であることが分かった。日本映画専門チャンネルというところで放映するようだが、残念ながらちょっと見られない。最後の…

北浦修敏、坂村素数、原田泰、篠原哲「構造的失業とデフレーション−フィリップス・カーブ、UV分析、オークン法則−」(PRI Discussion Paper Series)

1.フィリップス・カーブによる分析 構造的失業を分析する最も基本的な方法であるNAIRU型のフィリップス・カーブ dp(t)=E[dp(t)]+b・[U(t)-U*(t)]+サプライショック…(1) U:失業率 U*:構造的失業率 の理論的説明については、Friedmanの他にもニュー・ケイ…