備忘録

ー 経済概観、読書記録等 ー

2021-01-01から1年間の記事一覧

大沢真理『企業中心社会を超えて 現代日本を「ジェンダー」で読む』

企業中心社会を超えて――現代日本を〈ジェンダー〉で読む (岩波現代文庫)作者:大沢 真理岩波書店Amazon初版は1993年で2020年に改めて文庫化されたもの。タイトルに明示されるとおり、本書では、日本経済がオイルショックを効果的に乗り越えることができた理由…

今年の10冊

恒例のエントリーです。以下、順不同で。 岡崎久彦『戦略的思考とは何か』 戦略的思考とは何か 改版 (中公新書)作者:岡崎久彦中央公論新社Amazon1983年刊。現在、ソ連は既になく、中国が著しく台頭しその核心的利益が明確になる中、日本の周囲の情勢は様変わ…

兵藤釗『戦後史を生きる 労働問題研究私史』

戦後史を生きる 労働問題研究私史作者:兵藤 釗同時代社Amazon兵藤釗という「労働問題」研究者の人生史。主著は『日本における労資関係の展開』と『労働の戦後史』。かつて、「社会政策から労働問題へ」との提言に始まった日本の労働問題研究であるが、日本経…

牧野邦昭『経済学者たちの日米開戦 秋丸機関「幻の報告書」の謎を解く』

経済学者たちの日米開戦―秋丸機関「幻の報告書」の謎を解く―(新潮選書)作者:牧野邦昭新潮社Amazon 2018年刊。秋丸機関とは、陸軍省に設置された戦争経済を研究する機関であり、経済学者の有沢広巳らが参加した。ケインズが『一般理論』を刊行した1936年以…

真の失業率──2021年6月までのデータによる更新

完全失業率によって雇用情勢を判断する場合、不況時に就業意欲を喪失し労働市場から退出する者が発生することで完全失業率が低下し、雇用情勢の悪化を過小評価することがある。この効果(就業意欲喪失効果)を補正し、完全失業率とは異なる方法で推計した「…

西野智彦『ドキュメント日銀漂流 試練と苦悩の四半世紀』

ドキュメント 日銀漂流――試練と苦悩の四半世紀作者:西野 智彦岩波書店Amazon 1996年に始まる日銀法改正の議論からアベノミクスのもとでの異次元緩和まで、四半世紀にわたり、ジャーナリスト的な(極力私見を交えず丹念な取材に基づく)視点から日銀の動向を…

東京大学卒業生の進路からみる公務人気の変化(2021年度更新)

国家公務員の労働環境については、「生きながら人生の墓場に入った」*1という言葉が代表するように、その過酷さが話題となり、NHKが特集を組む*2など、一部で話題が尽きない状況となっている。 このような話が広まると、採用の現場にも一定の影響が生じるこ…

ティディエ・エリボン(塚原史訳)『ランスへの帰郷』

ランスへの帰郷作者:ディディエ・エリボンみすず書房Amazon フランスの労働者階級に出自を持ち同性愛者である著者が、父の死を機に十数年ぶりに帰郷したことを起点として、自伝の形式をとりつつ、フランスにおける(所得面のみならず文化資本を含めた)格差…

真の失業率──2021年5月までのデータによる更新

完全失業率によって雇用情勢を判断する場合、不況時に就業意欲を喪失し労働市場から退出する者が発生することで完全失業率が低下し、雇用情勢の悪化を過小評価することがある。この効果(就業意欲喪失効果)を補正し、完全失業率とは異なる方法で推計した「…

濱口桂一郎、海老原嗣生『働き方改革の世界史』

働き方改革の世界史 (ちくま新書)作者:濱口桂一郎,海老原嗣生筑摩書房Amazon 英米独仏日の労使関係論に関する古典的名著を紹介。一見、適当に選択したようにみえるそれぞれの主張が、「労働法政策を基本的なディシプリン」とする著者の一貫したパースペクテ…

安井翔太『効果検証入門 正しい比較のための因果推論/計量経済学の基礎』

効果検証入門〜正しい比較のための因果推論/計量経済学の基礎作者:安井 翔太技術評論社Amazon 観測データから因果関係を特定することが困難であることは、よく知られた事実である。与えられたデータを用いて因果推論を行う場合、必ずしもオーソドックスな分…

真の失業率──2021年4月までのデータによる更新

完全失業率によって雇用情勢を判断する場合、不況時に就業意欲を喪失し労働市場から退出する者が発生することで完全失業率が低下し、雇用情勢の悪化を過小評価することがある。この効果(就業意欲喪失効果)を補正し、完全失業率とは異なる方法で推計した「…

真の失業率──2021年3月までのデータによる更新

完全失業率によって雇用情勢を判断する場合、不況時に就業意欲を喪失し労働市場から退出する者が発生することで完全失業率が低下し、雇用情勢の悪化を過小評価することがある。この効果(就業意欲喪失効果)を補正し、完全失業率とは異なる方法で推計した「…

真の失業率──2021年1月までのデータによる更新

完全失業率によって雇用情勢を判断する場合、不況時に就業意欲を喪失し労働市場から退出する者が発生することで完全失業率が低下し、雇用情勢の悪化を過小評価することがある。この効果(就業意欲喪失効果)を補正し、完全失業率とは異なる方法で推計した「…

真の失業率──2020年12月までのデータによる更新

完全失業率によって雇用情勢を判断する場合、不況時に就業意欲を喪失し労働市場から退出する者が発生することで完全失業率が低下し、雇用情勢の悪化を過小評価することがある。この効果(就業意欲喪失効果)を補正し、完全失業率とは異なる方法で推計した「…

酒井正『日本のセーフティネット格差 労働市場の変容と社会保険』

日本のセーフティーネット格差:労働市場の変容と社会保険作者:酒井 正発売日: 2020/02/06メディア: 単行本 主として「就業」及び「格差」の観点から、日本の(広義の)セーフティネットについて、筆者自身の研究も交えつつ、近年の政策研究をサーベイする。…

浜田宏、石田淳、清水裕士『社会科学のためのベイズ統計モデリング』

社会科学のための ベイズ統計モデリング (統計ライブラリー )作者:浜田 宏,石田 淳,清水 裕士発売日: 2019/12/01メディア: 単行本(ソフトカバー) 「社会科学のための」と謳われているように具体的な政策分析事例を取り上げ、加えて「文系人間」でも数式展…