備忘録

ー 経済概観、読書記録等 ー

2005-07-01から1ヶ月間の記事一覧

"RISK & CAPITAL versus RETURN: Finding the Balance"(Guy Carpenter)

今日、保険会社は、引受リスクを支える資本の維持と資本効率の向上という二つの命題の狭間で、難しい舵取りを迫られています。保険監督当局や格付機関は、資本の充足率に関わるより厳格な基準を定め、保険会社が保有するリスクを支えるに十分な資本を維持す…

「切実な求めと有効需要」(労働、社会問題)

今回の調査結果の目玉は、高齢者福祉関係の事業所と従業員の急増でしょう。(中略)介護保険制度により、様々な規制が行われています。また、介護保険料の分だけ国民負担は増加しているのです。規制緩和に逆行する、公経済の拡大そのものです。(中略)適切…

「「人口減少下における雇用・労働政策の課題」すべての人が自律的に働くことができ、安心して生活できる社会を目指して(雇用政策研究会報告の取りまとめについて)」(厚生労働省)

現状のまま推移することのリスク・シナリオは、①経済社会を支える層が減少し、若年層をはじめ今後の我が国の産業を支える人材の質が低下し、生産性等の低下に繋がる、②格差が拡大し、将来に展望がもてないことによる社会の不安定化が加速する、③経済的理由に…

内藤武史「ペット供養は課税か非課税か?」(大和総研)

永井均「ウィトゲンシュタイン入門」

ウィトゲンシュタイン入門 (ちくま新書)作者: 永井均出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 1995/01/01メディア: 新書購入: 11人 クリック: 70回この商品を含むブログ (115件) を見る序章 ウィトゲンシュタインの光と陰 独我論をめぐっては、ウィトゲンシュタイ…

100日目

前回のエントリーにて達成。

吉本佳生「金融広告を読め どれが当たりで、どれがハズレか」

金融広告を読め どれが当たりで、どれがハズレか (光文社新書)作者: 吉本佳生出版社/メーカー: 光文社発売日: 2005/05/17メディア: 新書購入: 3人 クリック: 45回この商品を含むブログ (59件) を見るコメント 金融機関が家計向けに提供するサービスは商品で…

根井雅弘「経済学のことば」

経済学のことば (講談社現代新書)作者: 根井雅弘出版社/メーカー: 講談社発売日: 2004/11/19メディア: 新書 クリック: 4回この商品を含むブログ (4件) を見る第1部 古典派経済学のことば−経済学の生誕前夜からマルクスまで ペティ、ステュアート、カンティ…

川俣雅弘「20世紀の経済学における序数主義の終焉」に関連して、基本概念に係る備忘録

序数的効用とは、その数量的表現が大小関係のみ意味を持つ効用。効用水準の値や差に関する経済学的意味はない。反対概念として、基数的効用。 ゲーテルの完全性定理:述語論理の公理系は無矛盾であるならば論理的妥当であり、論理的に妥当なものは全て証明で…

田中秀臣「会社の社会責任の基礎を求めて−岩井克人氏の新刊を読んで−」(ノーガード経済論戦)

日本的経営とCSRとの関係がわたしにはあまりよくわからなかった。前者にある会社に帰属するヒト同士の「信任関係」の厚い鎖(これは悲惨な面も生産性を上昇させたり職場環境を改善する面もある)を、いかにして会社の外の社会への「信任関係」に進化させてい…

「家電萌えと同時爆弾テロ」(isologue - by 磯崎哲也事務所)

コメント 食器洗浄機やカーナビのようなマニアックな製品が日本で「うける」のは日本の人件費が高いからであり、低賃金労働と家電が代替関係にある場合にはそのような家電は発達しない。国家50年の計を考える場合、日本の移民政策を変更し無理をして労働供給…

西村清彦「日本経済 見えざる構造転換」

日本経済 見えざる構造転換作者: 西村清彦出版社/メーカー: 日本経済新聞社発売日: 2004/09メディア: 単行本 クリック: 1回この商品を含むブログ (4件) を見る第1章 見えざる構造転換 第2章 日本企業の「凋落」−「成功」が呼び起こした「失敗」 米国経済が…

関連して、「希望学プロジェクト」(東京大学社会科学研究所)

他に類をみない希望学という新しい社会科学が目指すのは、次の三つの普遍的な問いに対する答えの追求です。一つは「社会において個人が形成する希望とはそもそも何なのか」という問いです。(中略)第二の問いは「社会が個人の持つ希望にどのような影響を及…

玄田有史「ニートと希望のパラドックス」(JMM 07/08/05発行)

カミュはかつて「希望とは一般に信じられていることとは反対で、あきらめにも等しいものである。そして、生きることは、あきらめないことである」と言いました。「絶望とは虚妄であるように、希望もまた同じだ」魯人もそうですが、希望にまつわる言説は、ど…

「「私」はパブリック・ドメインの住人」(内田樹の研究室)

「コピーライツという考え方はよろしくない」ということを時々発作的に申し上げているが、それはロラン・バルトやジャック・ラカン以来の、「私が語っているとき、私の中で語っているのは〈他者〉である」という「現代思想の常識」テーゼを繰り返しているに…

飯塚信夫「”パート”は減ったのか?」(JCER研究員リポート)

毎月勤労統計調査では、一般労働者が増加しパートタイム労働者が減少。ただし、「一般労働者」=正社員ではない。労働力調査では、パートが減少する一方、派遣社員、契約社員・嘱託は増加しており、雇用増の主役が「非正規の職員・従業員」であることに変わ…

山田久「正社員・非正社員の処遇格差の是正に向けた視点」(Business&Economic Review)

正社員・非正社員の処遇格差の是正に繋がる動きとして、①成果主義賃金の導入、②契約社員、派遣社員、インディペンデント・コントラクター等非正社員内での多様な就業形態の生成、③大手スーパーにおける「正社員的パート」の登場等正社員・パートの中間形態の…

吉本佳生「金融広告を読め」に関連して、「梶ピエールの備忘録。」へのコメント

金融広告を読め どれが当たりで、どれがハズレか (光文社新書)作者: 吉本佳生出版社/メーカー: 光文社発売日: 2005/05/17メディア: 新書購入: 3人 クリック: 45回この商品を含むブログ (59件) を見る

永井均「私・今・そして神」(その2)

私・今・そして神 開闢の哲学 (講談社現代新書)作者: 永井均出版社/メーカー: 講談社発売日: 2004/10/19メディア: 新書購入: 4人 クリック: 30回この商品を含むブログ (102件) を見る(追記)問題の類似性を考えて、柄谷行人「探究Ⅰ」*1第1章「他者とは何か…

吉田哲生「競争力を創る人材資源の中長期シフト」(三菱総合研究所)

日本産業を取り巻く国際的自由化・規制緩和の基調を考えると、国際競争力を配慮した産業バランスの観点から、日本産業間の適正ポートフォリオとして製造業への人材資源配分を国策として重要視すべき。技術資源の潤沢な保有・維持の仕組みは十分ではないが、…