ラスカルの備忘録

ー 経済概観、読書記録等 ー

真の失業率──2015年3月までのデータによる更新

 完全失業率によって雇用情勢を判断す る場合、不況時に就業意欲を喪失し労働市場から退出する者が発生することで、完全失業率が低下し、雇用情勢の悪化を過小評価することがある。この効果(就業意欲喪失効果)を補正し、完全失業率とは異なる方法で推計した「真の失業率」を最新のデータを加えて更新した。

3月の完全失業率(季節調整値)は3.4%と前月よりも0.1ポイント改善したが、真の失業率は3.9%と前月と同水準。ただし、完全失業率、真の失業率ともに改善傾向であることは変わらず、引き続き、真の失業率は減少基調である。

 また、2月分までのコア物価と所定内給与(規模30人以上)の相関をとると、つぎのようになる*1

所定内給与は、標本事業所の抽出替えに伴う改訂が行われたため、改訂後の指数を用いた。その結果、所定内給与は足許3年間について下方修正され、これまでのグラフとは趣を異にし、物価に比して賃金の停滞が目立つようになった。これは、これまでの賃金が、事業所の継続調査に伴う上方バイアスを有していたからである。
 ただし、物価と賃金がともに上昇する傾向に関しては、総じてこれまでと変わらない。賃金は足許2月分では減少しているが、一時的なものと考えられる。とはいえ、賃金の改善はいまだ2013年初めの水準に戻した程度であり、リーマン・ショック前の水準までにはほど遠い。

https://dl.dropboxusercontent.com/u/19538273/nbu_ts.csv

*1:3月分の統計は既に公表されているが、賃金は速報値では上方バイアスを持ち、確報値になるとパート比率が上昇し下方修正されるのが一般的である。このため、3月分は、確報値公表後に分析することとする。