ラスカルの備忘録

ー 経済概観、読書記録等 ー

真の失業率──2014年3月までのデータによる更新

 完全失業率によって雇用情勢を判断する場合、不況時に就業意欲を喪失し労働市場から退出する者が発生することで、完全失業率が低下し、雇用情勢の悪化を過小評価することがある。この効果 (就業意欲喪失効果)を補正し、完全失業率とは異なる方法で推計した「真の失業率」を最新のデータを加えて更新した。

3月の完全失業率(季節調整値)は3.6%と前月と同水準になったが、真の失業率は4.5%と0.2ポイント低下した。2013年の時点において、すでにリーマン・ショック前の最低水準を更新しているが、今年に入ってからも、真の失業率は概ね0.1ポイントずつ、順調に低下している。
 雇用形態ごとの雇用者数の前年比をみても、1月時点では、正規雇用者の減少幅はマイナス94万人と大きかったが、3月はマイナス22万人である。一方で、非正規雇用者の増加幅は縮小しつつあり、今年に入ってからは、雇用の「質」の改善も進んでいる様子が窺える。

 フィリップス・カーブの動きをみても、物価が上昇傾向で安定する中、雇用情勢は引き続き堅調に推移している。

このように、デフレ期待がしだいにインフレ期待へと変化しつつある中、雇用面からは、労働市場のタイト化が雇用の「質」をも改善させつつあり、今後は給与の動向、そして勤労者世帯の消費の動向が注目されてくる。特に、勤労者の7割を占める中小企業労働者の賃上げや、過年度の物価上昇率を踏まえた来年の春闘は、大きな注目を集めると思われる。

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