備忘録

ー 経済概観、読書記録等 ー

哲学・文学

永井均「ウィトゲンシュタイン入門」

ウィトゲンシュタイン入門 (ちくま新書)作者: 永井均出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 1995/01/01メディア: 新書購入: 11人 クリック: 70回この商品を含むブログ (115件) を見る序章 ウィトゲンシュタインの光と陰 独我論をめぐっては、ウィトゲンシュタイ…

「「私」はパブリック・ドメインの住人」(内田樹の研究室)

「コピーライツという考え方はよろしくない」ということを時々発作的に申し上げているが、それはロラン・バルトやジャック・ラカン以来の、「私が語っているとき、私の中で語っているのは〈他者〉である」という「現代思想の常識」テーゼを繰り返しているに…

永井均「私・今・そして神」(その2)

私・今・そして神 開闢の哲学 (講談社現代新書)作者: 永井均出版社/メーカー: 講談社発売日: 2004/10/19メディア: 新書購入: 4人 クリック: 30回この商品を含むブログ (102件) を見る(追記)問題の類似性を考えて、柄谷行人「探究Ⅰ」*1第1章「他者とは何か…

内田樹「労働と豊穣性」(TFK2)

(中略)「剰余労働」を動機づける内発的な動因はひとつしか考えられません。「交換への欲望」です。とりすぎた「から」交換するのではありません。交換したい「から」とりすぎたのです。(中略)「いずれ要るかもしれないけれど、とりあえず今は要らないも…

永井均「私・今・そして神」(その1)

私・今・そして神 開闢の哲学 (講談社現代新書)作者: 永井均出版社/メーカー: 講談社発売日: 2004/10/19メディア: 新書購入: 4人 クリック: 30回この商品を含むブログ (102件) を見る第1章 開闢の神をめぐってたゆたう序章第2章 ライプニッツ原理とカント…

中上健次「枯木灘」

枯木灘 (河出文庫 102A)作者: 中上健次出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 1980/06メディア: 文庫購入: 17人 クリック: 131回この商品を含むブログ (112件) を見る

Le mort m'affecte(内田樹の研究室)

レヴィナスが現象学を祖述するに際して、強く強調したのは「そこにもう/まだないもの」もまた志向的対象でありうるという目のくらむような洞見であった。(中略)「世界で最後の人間」となった私が、それでもなお現事実的には存在しない他我たちとの共同主…

「資本主義の黄昏」(内田樹の研究室)

NEETの問題は、「いいから、とりあえず人間は働いてみるもんだよ。給料はたいしたことないけどね」というおそらく数万年前から人間が(とくにその理由を問うこともなく)慣習的に言い交わしてきたことばを、私たちの時代が「言い渋っている」ことに起因する…

中上健次「岬」

岬 (文春文庫 な 4-1)作者: 中上健次出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 1978/12メディア: 文庫購入: 4人 クリック: 85回この商品を含むブログ (64件) を見る

永井均「これがニーチェだ」

これがニーチェだ (講談社現代新書)作者: 永井均出版社/メーカー: 講談社発売日: 1998/05/20メディア: 新書購入: 7人 クリック: 96回この商品を含むブログ (115件) を見る第1章 道徳批判−諸空間への序章 なぜ人を殺してはいけないか。「重罰になる可能性を…

「ニーチェとオルテガ 「貴族」と「市民」」(内田樹の研究室)

自分が単独で生きている経験そのものがすでに「見知らぬ人間との共同生活」であるようなしかたで複素的に構造化されている人間だけが、公的な準位で「見知らぬ他者との共同生活」に耐えることができる。 つねにためらい、逡巡し、複数の選択肢の前で迷う人間…

「階層化=大衆社会の到来」(内田樹の研究室)

オルテガは「大衆」をこう定義する。 「大衆とは、自分が『みんなと同じ』だと感ずることに、いっこうに苦痛を覚えず、他人と自分が同一であると感じてかえっていい気持ちになる、そのような人々全部である。」 この言葉遣いは一見するとニーチェの「畜群論…

湯山光俊「はじめて読むニーチェ」

はじめて読むニーチェ (新書y)作者: 湯山光俊出版社/メーカー: 洋泉社発売日: 2005/02メディア: 新書 クリック: 3回この商品を含むブログ (14件) を見る第1章 フリードリッヒ・ニーチェ年代記−「三段の変化」第2章 フリードリッヒ・ニーチェの思想−「発見…