このレビュー論文でいうことろの粘着インフレモデルの一候補としても小野モデルは考えることができるんじゃあないかと思います。(中略)小野モデルの素晴らしいところは、物価の水準とその変化率という「速度」の次元を巧妙に記述し、しかも物価水準の「速度」が粘着性(粘着インフレ、粘着デフレ)をもっていることが明示されているからです。
おそらく論者の問題意識は、これらのモデルの可能性を明記したいだけではないと推察されます。New ISLMでは問題意識のメインからは完全に脱落している(しかしオリジナルなISLMではいくばくか明示化されている)、例の「流動性」をめぐる問題が最も興味深い論点を提供していると思われます。(中略)とはいっても私は『経済論戦の読み方』*1でも書きましたが、いまの日本の停滞は通常のISLMを多少修正しただけで説明可能だと思ってますし、そこから導き出される政策もきわめて妥当だと思っています。
なお、前日のエントリーでは、「ネットの経済学」に関連してichigoBBSにおける「ザモデル論争」等について言及。
*1:[引用者注]03/07付けエントリー参照