今回の情報統制の厳しさは、これまでの報道振り(先月と異なり、ほとんど何も情報が出てこない)からよく伝わってきます。
「日銀、0.25%の利上げ決定」、これ自体は想定内かも知れませんが、「8対1の賛成多数」というのは正直驚きでした。しかも「反対は岩田一政副総裁」というのは、これまでの金融政策決定会合の暗黙の秩序が崩れたことを示しているような感じです。日銀と内閣府の見解の相違が表面化しましたね。
なお、自分のこの件についての考えは、07/02/02付けエントリーの最後に書いた以下のコメントの通り。円キャリートレードや外国為替の動向、都心を中心とした地価動向については、金融政策の判断とは別問題であると考えます。
- 現在の景気拡大は大企業(特に輸出産業)を中心としたものであり、中小企業の状況は必ずしも明るいものではない。現下における利上げは、特に中小企業の経営環境を悪化させるため、国内経済政策の観点からは好ましいものではない。
加えて、そのエントリーで議論の俎上に乗せた大企業と中小企業の間の業績格差の拡大は、今後より深い検討を要する問題だと思います。「グローバル化」というワーディングには否定的な論者も多いわけですが、例えば、自動車産業をみれば明らかな海外マーケットの比重の高まり等は、(良しにつけ、悪しきにつけ)無視できない話題となってくるでしょう。国内経済の底堅く持続的な成長を確保するためには、確実なデフレからの脱却が望まれます。