ラスカルの備忘録

ー 経済概観、読書記録等 ー

「資本主義の黄昏」(内田樹の研究室)

NEETの問題は、「いいから、とりあえず人間は働いてみるもんだよ。給料はたいしたことないけどね」というおそらく数万年前から人間が(とくにその理由を問うこともなく)慣習的に言い交わしてきたことばを、私たちの時代が「言い渋っている」ことに起因する。(中略)あらゆる人間関係を商取引の語法で理解し、「金で買えないものはない」という原理主義思考を幼児期から叩き込まれた人々のうちでさらに「私には別に欲しいものがない」というたいへん正直な人たちが資本主義の名において、論理の経済に従って「何かを金で買うための迂回としての学びと労働」を拒絶するに至ったのである。(中略)NEETにむかって学びと労働の必要性を功利的な語法で説くのはだからまるで無意味なことなのである。