ラスカルの備忘録

ー 経済概観、読書記録等 ー

2009年10月データによる更新

 完全失業率は5.1%(季節調整値)と、前月より0.2ポイント改善しました。ただし、完全失業者は16万人減少していますが、就業者は20万人の減少、非労働力人口は40万人の増加となり、労働需要の増加はみられません。女性では、就業者が大きく減少する一方で非労働力人口が大きく増加し、男性でも、完全失業者の減少幅は就業者の増加幅よりも小さなものに止まっています。
 産業別にみると(原数値)、就業者の減少は卸・小売業などのサービス産業に偏っており、製造業など「コアな」産業では、先月との大きな違いはありません。
 総じて、今回の結果から、明確な雇用情勢の回復傾向を読みとることはできません
 これまで、完全失業率が急激に上昇する一方、非労働力人口の増加は小さなものに止まりました。今回の結果はこれとは逆に、非労働力人口の増加によって完全失業率の悪化が抑制されています。就業意欲の喪失によって労働市場から退出する者等を失業者とみなして推計した「真の失業率」は、昨年度末から継続して上昇しています。

(注)真の失業率の推計方法の詳細は、03/09/09付けエントリーおよび06/05/06付けエントリーを参照。

 今後の雇用情勢は、以前に書いたように『劇的な改善は望めないものの、一方で、今後さらに大きく悪化するようなこともなく、(自然失業率からはほど遠いという意味での)完全失業率の高水準が、当面、継続する』と考えています。(とはいえ、昨今の円高は景気の「二番底」を惹起させるもので、不安は残りますが。)

(参考エントリー)