ラスカルの備忘録

ー 経済概観、読書記録等 ー

真の失業率──2017年8月までのデータによる更新

 完全失業率によって雇用情勢を判断する場合、不況時に就業意欲を喪失し労働市場から退出する者が発生することで完全失業率が低下し、雇用情勢の悪化を過小評価することがある。この効果(就業意欲喪失効果)を補正し、完全失業率とは異なる方法で推計した「真の失業率」を最新のデータを加えて更新した。

 完全失業率(季節調整値)は2.8%と前月と同水準、真の失業率は2.5%と前月より0.1ポイント低下した。引き続き、真の失業率は減少基調である。現推計時点において、真の失業率は基準年*1である1992年より改善していることとなる。

 所定内給与と消費者物価の相関に関する7月までの結果は以下のようになる。賃金、物価ともに概ね先月の水準と変わらない。物価は、グラフには反映していないが、8月に入り上昇率が拡大した。賃金は、今春闘結果を反映し緩やかに増加しており、加えてパート比率の低下が安定的に賃金を押し上げている*2

https://www.dropbox.com/s/fixt1abitfo58ee/nbu_ts.csv?dl=0

*1:本推計において完全雇用が達成しているとみなす年。

*2:5人以上規模事業所に関しては、これまでみられたパート比率上昇による賃金抑制効果は、ほぼなくなった。また、グラフに採用する30人以上事業所に関しては、むしろパート比率が低下し賃金を押し上げている。