備忘録

ー 経済概観、読書記録等 ー

金融・保険

量的緩和政策の解除

本日の政策委員会・金融政策決定会合において決定。 金融市場調節方針の変更について (日本銀行) 新たな金融政策運営の枠組みの導入について(日本銀行) 「物価の安定」についての明確化 日本銀行としての物価の安定についての基本的な考え方を整理すると…

量的緩和政策の解除について

よく見る経済系ブログでは、ほとんど、反対(もしくは否定的見解)が表明されている。*1この問題に関しては、考えが十分にまとまっているわけではないが、とりあえず、最近読んだ大竹文雄「経済学的思考のセンス」における以下の記述を素材にして考えてみる。 …

「保険業法施行規則等の一部を改正する内閣府令等」(案)の公表について(損害保険会社におけるIBNR備金の積立ルール整備等)(金融庁)

一昨年に改正された自然災害リスクに対応した準備金積立ルールの整備に続いて、損害保険会社の準備金について、保険料をベースに算定する方式から、毎決算期に評価した金額を積み立てる方式に改めるための改正。クリティカルなトピックとしてはアスベストに…

田中秀臣「ベン・バーナンキ 世界経済の新皇帝」

ベン・バーナンキ 世界経済の新皇帝 (講談社BIZ)作者: 田中秀臣出版社/メーカー: 講談社発売日: 2006/01/20メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 60回この商品を含むブログ (27件) を見る第1章 21世紀に君臨する「皇帝」の素顔 金融政策の舵取りは一般物価…

株式投資にあたっての自戒

人並みに株式投資などをやっているわけで、最近は、相場全体の水準が上がったことから、人並みにキャピタルゲインが増加し、投資先も結構増えてきました。そこで、今後道を誤らないよう、自戒を込めて、自身の投資スタンスを整理しておきたいと思いました。 …

保険業法施行規則等の一部を改正する内閣府令(案)等の公表について(第三分野の責任準備金等ルール整備関係)(金融庁)

「リフレ政策の検討」(労働、社会問題)へのコメント

保険業法等の一部を改正する法律の施行期日を定める政令(案)等の公表(少額短期保険業関係)(金融庁)

「水野委員の講演で思うこと=生保の逆ザヤ問題」(本石町日記)

http://hongokucho.exblog.jp/m2005-12-01/#3903084 逆ザヤ問題があるのになぜ経営は安泰なのかと言えば、市況好転はさることながら、生保独特の収益構造にカラクリがある。具体的には、収益源は大まかに「利差益」、「費差益」、「死差益」の三つ(いわゆる…

田中秀臣「出口政策が熱い?!(その2)」(ノーガード経済論戦)

コメント 前半は、マクロ動学モデルの含意から、時間整合性をとる上でコミットメントが有効であることを論じており、このところ「日銀レビュー」で繰り返し論じられてきたこととも重なる議論。後半は、コミットメントなき現状の「本格的なデフレ脱出のフレー…

「4つのフィリップスカーブ」、「ゼロインフレの政治経済学」(Irregular Economist)

コメント 長期的には(あるいは短期においても)フィリップスカーブは垂直となるとする自然失業率(NAIRU)仮説について、ゼロインフレが最適なインフレ率であるとの結論をそこから導き出すことは困難であり*1、結論としては、政治的なプロセスの中でインフ…

FRB新議長

Statement by Federal Reserve Board Chairman Alan Greenspan: "The President has made a distinguished appointment in Ben Bernanke. Ben comes with superb academic credentials and important insights into the ways our economy functions. I have …

小田信之、永幡崇「金融政策ルールと中央銀行の政策運営」(日銀レビュー)

金融政策ルール(monetary policy rule)とは、物価や経済活動の安定を目的に、マクロ経済の変動に応じてシステマティックに金融政策を運営する方式を表現したもの。経済に発生する需要ショックや供給ショックの影響を相殺するように金融政策を運営すれば、経…

The R Book

The R Book―データ解析環境Rの活用事例集作者: 岡田昌史出版社/メーカー: 九天社発売日: 2004/05メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 8回この商品を含むブログ (21件) を見る買ってみた。これからいろいろ試してみる。

「生保経営の質が変わった」(浅谷輝雄 SOHOからのメッセージ)

また保険事業の監督が旧大蔵省にあった最後の時期に、外国の再保険会社の口車に乗せられて良い債務内容改善の保険だと信じて認めた財務再保険がまだ生きているのは不思議である。官僚というものは、先輩が認めたものは先例として尊重する傾向があるからか。…

清水谷論「期待と不確実性の経済学」

期待と不確実性の経済学作者: 清水谷諭出版社/メーカー: 日本経済新聞社発売日: 2005/02メディア: 単行本購入: 3人 クリック: 45回この商品を含むブログ (14件) を見るプロローグ マクロ経済政策のミクロ的実証を 70年代以後、いわゆる「ルーカス批判」をき…

「産業構造審議会産業金融部会中間報告−次世代の企業財務と産業金融機能のあり方について」(経済産業省)

コメント ミクロの観点から、金融・資本市場の基盤整備を唱えるものであるが、マクロの観点からみた資金需要の実態からは、その重要性は小さいと言えるのではないか。あるいは、多様なファイナンス手法が制度的に整備されることで、新たな資金需要が生まれる…

郵政民営化関連6法案(内閣官房郵政民営化準備室)

本日の参院本会議にて否決、廃案。今後は、当面の公社形態を暫く継続するか、妥協案として郵便事業と窓口ネットワークのみを公社形態とするか、といったところであろうが、前者については、現行公社の経営手法では、様々な分野で弊害やコンフリクトが生じる…

損保委員会 実務基準部会(日本アクチュアリー会)

http://www.actuaries.jp/comm/sonpo_jitumkjn.html

ベネット・マッカラム「金融政策の最適性に関する適切なパースペクティブは何か?」(IMES Discussion Paper Series)

1.はじめに2.モデルの定式化の例 標準的に認められるモデルに基づき、中央銀行は、時間t=1において、条件式の条件の下で、次のL1を最小化しようとすると仮定。民間経済主体の割引率D_1は、中央銀行の割引率Dと異なり得るが、さしあたりD_1=Dと仮定。 L1=…

"RISK & CAPITAL versus RETURN: Finding the Balance"(Guy Carpenter)

今日、保険会社は、引受リスクを支える資本の維持と資本効率の向上という二つの命題の狭間で、難しい舵取りを迫られています。保険監督当局や格付機関は、資本の充足率に関わるより厳格な基準を定め、保険会社が保有するリスクを支えるに十分な資本を維持す…

吉本佳生「金融広告を読め どれが当たりで、どれがハズレか」

金融広告を読め どれが当たりで、どれがハズレか (光文社新書)作者: 吉本佳生出版社/メーカー: 光文社発売日: 2005/05/17メディア: 新書購入: 3人 クリック: 45回この商品を含むブログ (59件) を見るコメント 金融機関が家計向けに提供するサービスは商品で…

吉本佳生「金融広告を読め」に関連して、「梶ピエールの備忘録。」へのコメント

金融広告を読め どれが当たりで、どれがハズレか (光文社新書)作者: 吉本佳生出版社/メーカー: 光文社発売日: 2005/05/17メディア: 新書購入: 3人 クリック: 45回この商品を含むブログ (59件) を見る

関連して、「「保険会社向けの総合的な監督指針」(案)」(浅谷輝雄SOHOからのメッセージ)

最近AIG関係で問題になった「ファィナイト」再保険、我が国では大蔵省時代に通達まで出して認めた財務再保険のことが、II−2−6で触れていないが、II−2−6−1の(注)により廃止されたものと解してよのか確認したいものだ。 コメント 規則第71条第2,第3項(及…

「保険会社向けの総合的な監督指針」(案)に対する意見募集の実施について

熊野英夫「「下限30兆円割れ」容認はどのように決まったか」(第一生命経済研究所)

06/12付けエントリーに関連して、跡田直澄、高橋洋一「郵政民営化・政策金融改革による資金の流れの変化について」

財政赤字を考慮した潜在的国民負担率は、負担面から見た公的部門の大きさを示す指標。一般的に、公的部門のウェイトが過度に拡大すれば、経済全体の生産性が低下する可能性。OECD諸国間の潜在的国民負担率と経済成長率の間には緩やかな負の相関。 郵政民営化…

渕 仁志、武藤一郎、鵜飼博史「ファイナンシャル・アクセラレーター効果が日本経済に及ぼした影響:実証分析」(日銀ワーキング・ペーパー・シリーズ)

(中略)日本版ファイナンシャル・アクセラレーター・モデルを推計し、企業の純資産/総資産比率の推移に影響を及ぼしてきた外生的ショックを識別する。分析の結果からは、企業のバランスシート・チャネルに関する推計パラメータは統計的に有意であることが確…

郵政民営化に係る跡田・高橋論文をめぐる各者の議論

「どこまで本当かなぁ・・・」(Bewaad Institute@Kasumigaseki) 「ダースベーダかよ」(Economics Lovers Live) コメント 金融財政事情掲載の論文をめぐる議論であるが、同論文は未読。議論(特に後者のコメント欄)を見ていると、論点は、①郵政民営化等…

岩田一政副総裁講演「25年後の「金融政策と銀行行動」」

銀行準備の利子弾力性が無限大になる「流動性の罠」に陥っている場合には、資金供給増の効果はゼロであるが、短期の市場利子率がゼロであっても、より長めの金利が正であり、資金需給に反応して銀行がより望ましいとする超過準備が変化する限り効果がある。…