4月以降完全水平で、面白みがありません。雇用統計に関しては、サービス産業就業者の拡大傾向に弱まりがみられることが気懸かり(こちらの3頁目・図5を参照)。また、自営業(非農林業)の減少には歯止めが掛かりません。
自営業の減少傾向について(追記)
すなふきんさんのコメントを受け追記。1990年までの自営業の減少は農林業が中心であったが、1990年以降は非農林業においても自営業は減少傾向にある。産業別には、卸売・小売業を中心に減少しており、2006年に関してはサービス業の減少が目立つ。デフレ下における自営業の減少は、「創造的破壊」論への批判としてよく取り上げられており、既に馴染みのものであるが、2002年以降の景気回復過程においてもこの傾向に反転の兆しは見られない。
日本は国際的にみて自営業主比率が高いが、近年は、雇用者比率が高まり、その水準は国際標準に近づいてきたとみることもできる。野村正実氏は、日本の「全部雇用」の重要な機能として自営業主の役割を論じているが*1、自営業の減少が農林業中心であったのは1980年代までのことであり、それ以後の現実は、野村氏の求めるものとは違ったものになっている。
*1:「雇用不安」における論調。新著は読んでいないので、もしかしたらその見方を変えている可能性はあります。