備忘録

ー 経済概観、読書記録等 ー

2009-06-01から1ヶ月間の記事一覧

2009年5月データによる更新

(注)真の失業率の推計方法の詳細は、03/09/09付けエントリーおよび06/05/06付けエントリーを参照。 完全失業率5.2%に対し、真の失業率(12カ月移動平均)は4.9%。*1休業者および短時間就業者は高い水準で推移していますが、それ以上に、就業者数の減少も…

2009年5月データによる更新

今月のコア物価は大きく低下しましたが、これは、昨年の原油高等にともなう急激な物価の上昇の反動によるもの。ただし、食料(酒類を除く)及びエネルギーを除く総合でみても、0.5%の下落(前月0.4%下落)と、物価が低下する基調に変わりはありません。 完…

人口問題におけるケインズ

ケインズの人口問題に対する関心、特に、「マルサスの悪魔」については、二つの著作で大きく異なった視点から捉えられています。初期の著作「平和の経済的帰結」(1919)では、過剰人口問題への関心が強くみられますが、その後、イギリス優生学会で行われた…

Scribd

試みに、使ってみることにしました。これまで、英語練習の教材に使用した3つの論文をpdfでアップロードしています。(アセモグルの論文の翻訳・解題は、オリジナルのものに、若干の改訂を加えています。)http://www.scribd.com/doc/16660089/※ブログ画面の…

ジョセフ・スティグリッツ「倫理的なエコノミスト」(2)

(前回のエントリー) ジョセフ・スティグリッツ「倫理的なエコノミスト」(1) 下記の書評翻訳の続きです。*1 ジョセフ・スティグリッツ「倫理的なエコノミスト」(Foreign Affairs 11-12/2005) *1:著作権上の問題等が判明すれば、友人限定のmixiに移行する…

ジョセフ・スティグリッツ「倫理的なエコノミスト」(1)

※コメントいただいた点について、随時修正を行います。 いま、猪木武徳「戦後世界経済史」を読んでいるのですが、はしがきに次のような記述がありました。 滞っていた本書の執筆に踏み切れたのは、中央公論新社の新書編集部の高橋真理子さんに「構成目次」を…

ジョセフ・スティグリッツ「スティグリッツ教授の経済教室 グローバル経済のトピックスを読み解く」

スティグリッツ教授の経済教室―グローバル経済のトピックスを読み解く作者: ジョセフ・E・スティグリッツ,藪下史郎,藤井清美出版社/メーカー: ダイヤモンド社発売日: 2007/10/19メディア: 単行本購入: 9人 クリック: 97回この商品を含むブログ (36件) を見る…

ジョセフ・スティグリッツ「世界に格差をバラ撒いたグローバリズムを正す」

世界に格差をバラ撒いたグローバリズムを正す作者: ジョセフ・E.スティグリッツ,Joseph E. Stiglitz,楡井浩一出版社/メーカー: 徳間書店発売日: 2006/11メディア: 単行本購入: 5人 クリック: 73回この商品を含むブログ (54件) を見る 格差問題に関する日本国…

日本の雇用システムの柔軟性とその弊害

※追記を追加しました。(09/06/10) 先日のエントリーに関連して─というか、「チンピラ」(爆)のことは無視して─日本の雇用システムについて、もっとまじめに考えてみることにしましょう。先日も紹介した大内伸哉「雇用はなぜ壊れたのか」から、別の一節を…

日本の賃金制度──考えるためのひとつの補助線

下は、稲葉振一郎「労使関係史から労使関係論へ」からの引用です。 高度成長期の労使関係の一局面に例を採って、この仮説の試運転をしてみよう。興味深いことに、先述の戦後的特質は高度成長化の企業と産業の急速な合理化にとって機能的に作用した。ここでは…

合計特殊出生率

2008年の合計特殊出生率が先日公表され、このところ上昇傾向にあることが話題になっています。http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/geppo/nengai08/index.html 合計特殊出生率は、2005年から上昇していますが、過去をみると、今回のような上昇ト…