ラスカルの備忘録

ー 経済概観、読書記録等 ー

眞鍋倫子「女性の就労行動の学歴差−夫の収入と妻の就労−」(東京学芸大学紀要)

 高卒では有配遇女性の就労に対して夫の収入が影響しなくなっており、ダグラス=有沢の法則が崩れてきている。一方、大卒では夫の収入と妻の就労の関係は現時点でもかなり強く、高学歴女性を中心にダグラス=有沢の法則が崩れてきているとは言い難い。
 夫の年収が年齢とともに上昇するのであれば、夫の収入が高まり子の教育費負担が高まる時期に妻が就労する可能性は高まる。ライフステージの構成の差をコントロールすると、どの学歴でも夫の年収が妻の就労に対し有意にマイナスの影響を持つ(つまり、ダグラス=有沢の法則は、今も崩れてはいない)、とのこと。
 なお、ダグラス=有沢の法則は、①核所得者の労働力率は、賃金の高低に拘わらず高水準にある、②非核所得者の労働力率は、他の条件が一定ならば、核所得者の所得が高いほど低くなる、③非核所得者の労働力率は、他の条件が一定ならば、彼らに提示される市場賃金率が高くなればなるほど高くなる、の3つから成る。